STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第28回 言語聴覚士国家試験 第168問

言語発達障害学第28回
自閉スペクトラム症の検査で適切でないのはどれか。
  1. 1.M-CHAT
  2. 2.ADI-R
  3. 3.Conners3 ✓
  4. 4.CARS2
  5. 5.PARS-TR

正答:3番

解説
# 第28回 第168問 解説 ■ 正答:**3番** — Conners3 Conners3は**ADHD(注意欠如・多動症)の評価尺度**であり、自閉スペクトラム症(ASD)の診断検査ではありません。ASD検査の中で最も不適切な選択肢です。 --- ## 【正答の理由】 自閉スペクトラム症の診断には、社会的コミュニケーション/相互作用の欠陥と限定・反復的行動・興味パターンを評価する専門の検査が用いられます。Conners3はADHDの不注意・多動性・衝動性を評価する検査に過ぎず、ASD固有の症状構造を捉えられません。 --- ## 【各選択肢の解説】 **1. M-CHAT** ✅ 正しい。Modified Checklist for Autism in Toddlers(改訂版)で、**16~30ヶ月児の発達スクリーニング検査**。保護者が回答する23項目。社会的関心・コミュニケーション・行動パターンを評価し、ASD高リスク児を同定します。最初の検査に用いられます。 **2. ADI-R** ✅ 正しい。Autism Diagnostic Interview-Revised(自閉症診断面接法改訂版)で、**保護者への半構造化面接**。発症年齢・生涯歴を含む詳細な発達歴を聴取し、言語発達・社会性・行動パターンの異常を評価。ASDの確定診断に用いられます。 **3. Conners3** ❌ 誤り。Conners Rating Scales – Third Edition(コナーズ評定尺度第3版)は、**ADHD児の不注意・多動性・衝動性、および行動問題**を保護者・教師が評定する検査です。ASD診断検査ではなく、むしろASDと共存するADHD症状を評価する補助的ツール。ASD単独の診断には不適切です。 **4. CARS2** ✅ 正しい。Childhood Autism Rating Scale – Second Edition(小児自閉症評定尺度第2版)で、**臨床家による観察と面接に基づく15項目の評定スケール**。関係性・模倣・感情的反応・身体の使用・聴覚反応・視覚反応・対象への適応・変化への適応・視覚的反応・味覚・嗅覚・恐怖・神経運動的行動・知的機能・一般的な印象を0~4点で評価。ASD診断に広く用いられます。 **5. PARS-TR** ✅ 正しい。Pervasive Developmental Disorder Autism Society Japan Rating Scale – Text Revision(PDD自閉症社会評定尺度・テキスト改訂版)で、**日本の自閉症学会が開発した12項目の評定尺度**。対人相互作用・コミュニケーション・常同行動・全般的印象を評価。日本国内で広く用いられているASD診断支援ツールです。 --- ## 【試験対策ポイント】 ### ■ ASD診断検査の4大ツール | 検査名 | 対象 | 実施者 | 主評価項目 | |---|---|---|---| | M-CHAT | 16~30ヶ月 | 保護者が回答 | スクリーニング(社会性・コミュニケーション・行動) | | ADI-R | 全年齢 | 臨床家が面接 | 発達歴・生涯歴・現症 | | CARS2 | 全年齢 | 臨床家が観察・面接 | 15項目評定(関係性・聴覚・視覚反応など) | | PARS-TR | 全年齢 | 保護者が回答 | 対人相互作用・コミュニケーション・常同行動(日本向け) | ### ■ ADHD検査
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