第28回 言語聴覚士国家試験 第170問
失語症第28回
「明」という漢字を書くときに、「お日さまと月をあわせるとすごく明るい」と言語化して覚えて書くように指導する方法はどれか。
- 1.聴覚法 ✓
- 2.DAISY
- 3.多感覚法
- 4.バイパス法
- 5.キーワード法
正答:1番
解説
# 第28回 第170問 解説
■ 正答:1番 — 聴覚法
この問題は、漢字学習の指導方法に関する知識を問うものです。「お日さまと月をあわせるとすごく明るい」という**言語化した説明(音声言語)を用いて漢字の構成や意味を覚える方法**が聴覚法です。聴覚法では、目で見た文字の形や成り立ちを、耳で聞く言葉(音声言語)で説明し、その結果として記憶や学習が促進されます。
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【各選択肢の解説】
**1. 聴覚法**
✅ 正しい。文字の形や構成を**言語化(音声言語)して説明し、耳で聞く情報を通じて学習を促進する方法**です。「明」の例では「日(太陽)と月を合わせると明るい」という口頭説明が聴覚情報となり、視覚的な文字学習を言語で補強します。失読失書や学習困難児の漢字学習に有効です。
**2. DAISY**
❌ 誤り。DAISYは**Digital Accessible Information System**の略で、音声デジタル教科書のこと。視覚障害や読字困難のある児童が、音声と同期したテキストと画像を利用できるシステムです。特定の指導方法ではなく、学習支援ツールです。
**3. 多感覚法(マルチセンサリー)**
❌ 誤り。視覚・聴覚・触覚を**同時に組み合わせて**学習を進める方法です。例えば、文字を見る(視覚)+音を聞く(聴覚)+文字を指でなぞる(触覚)を統合的に活用します。言語化した説明だけではなく、複数感覚の同時統合が特徴であり、この問題では当てはまりません。
**4. バイパス法**
❌ 誤り。損傷した神経経路を迂回させて、別の経路で学習を補助する方法です。例えば、失行がある患者に**「言葉で指示しながら手を導く」**など、健全な経路を代替経路として利用します。この問題の「言語化して覚える」とは異なります。
**5. キーワード法(キーワード戦略)**
❌ 誤り。音韻的に似た単語を手がかりにして記憶を促進する方法で、主に**英単語などの外国語学習**に用いられます。例えば「cat」を「猫」と覚えるとき、音韻が似た日本語キーワード「キャット」を使う等。この問題の漢字の形や意味を説明する方法とは異なります。
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【試験対策ポイント】
**文字学習指導法の6つの分類**(重要):
| 指導方法 | 定義・特徴 | 使用感覚 | 適応例 |
|---|---|---|---|
| **視覚法** | 文字の形態的特徴を視覚的に分析・識別する | 視覚のみ | 字形の違い(ナ vs ム の区別) |
| **聴覚法** | 文字の成り立ちや意味を**言語化して説明**し、音声言語で補強 | 視覚+聴覚(音声) | **「日と月で明」という口頭説明** ← 本問 |
| **触覚法** | 文字を指でなぞる・書く動作を通じて記憶 | 視覚+触覚(運動感覚) | 手指の運動障害がない児童の字形定着 |
| **多感覚法** | 視覚・聴覚・触覚を**同時統合**して学習 | 複合感覚 | 学習困難児・ADHD児への効果的支援 |
| **バイパス法**