第28回 言語聴覚士国家試験 第171問
言語発達障害学第28回
誤っている組合せはどれか。
- 1.応用行動分析 - モデリング
- 2.VOCA - PIC ✓
- 3.<S-S法>言語発達遅滞検査 - 語順
- 4.伝達場面(文脈)設定型指導 - スクリプト
- 5.TEACCH - ワークシステム
正答:2番
解説
# 第28回 第171問 解説
■ 正答:2番 — VOCA - PIC
**VOCA(音声出力AAC機器)とPICの関係について**
VOCAは音声出力機能を持つAAC機器の総称で、利用者がボタンやタッチスクリーンを操作すると音声が出力される装置です。一方、**PIC(Pictogram Ideogram Communication symbol)は、スウェーデンの Carlsson が開発した「視覚的シンボル」であり、VOCAに搭載される「シンボルシステム」の一種ではなく、独立した補助コミュニケーション手段です**。PICSはスマートフォンなどのアプリとしても使用されますが、VOCAの「機器」とPICの「シンボル」は異なるカテゴリーであり、直結する組み合わせではありません。
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【各選択肢の解説】
1. **応用行動分析 - モデリング**
✅ 正しい。応用行動分析(ABA)は行動療法の基礎理論で、モデリング(他者の行動を観察・模倣することで学習する)はABAの重要な技法の一つです。Banduraの観察学習理論として知られています。
2. **VOCA - PIC**
❌ 誤り。VOCAは「機器」であり、PICは「シンボル」です。VOCAに搭載されるシンボルはPCS(Picture Communication Symbols)やBlissシンボルなど複数あり、PICSはVOCAの標準的なシンボルではありません。PICSは独立した視覚的コミュニケーション手段として使用されます。
3. **<S-S法>言語発達遅滞検査 - 語順**
✅ 正しい。S-S法言語発達遅滞検査は文法・音韻・語彙・音声などの言語要素を評価し、特に文法項目として「語順」に関する能力が含まれています。日本の標準化検査です。
4. **伝達場面(文脈)設定型指導 - スクリプト**
✅ 正しい。伝達場面設定型指導では、実生活で頻繁に起こる「スクリプト(型にはまった相互作用パターン)」を段階的に習得させることで、自然な文脈でのコミュニケーション能力を育成します。機能的・実用的なアプローチです。
5. **TEACCH - ワークシステム**
✅ 正しい。TEACCH(自閉症者のための治療・教育プログラム)はノースカロライナ大学で開発されたASD対象の包括的支援プログラムで、構造化された環境設定の中で「ワークシステム」(自分で何をするか、どの程度やるか、終わったことをどう確認するか)を導入する重要な要素です。
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【試験対策ポイント】
**■ AAC関連用語の整理が必須**
AAC(拡大代替コミュニケーション)業界での頻出混同です:
| 用語 | カテゴリー | 説明 |
|---|---|---|
| **VOCA** | 機器・システム | 音声出力機能を持つデバイス(iPad + アプリ も含む) |
| **PCS** | シンボルシステム | Picture Communication Symbols。VOCAで最も多く使用される標準化シンボル |
| **PIC** | シンボルシステム | Pictogram Ideogram Communication。スウェーデン発祥。独立したAAC手段 |
| **Blissシンボル** | シンボルシステム | 幾何学的記号を組み合わせた体系。高い学習負荷 |
| **補助コミュニケーション** | 概念 | 音声言語に困難がある者を支援するあらゆる手段・方法 |
→ **「機器」と「シンボル」は異なるレイヤーの概念**であることが試験で繰り返し問われます。