第44回 理学療法士国家試験 午前 第21問
理学療法評価学第44回午前
第44回 理学療法士国家試験 午前 第21問(理学療法評価学)の正答は 2・5 です。頭部MRIの正中矢状断像では、小脳虫部の小脳葉が細く痩せて葉間の溝(裂)が著明に開大し、木の枝が細くなったような小脳萎縮を示しています。
問題
55歳の男性。3年前からろれつが回らず歩行が不安定で介助が必要であり、起き上がるとめまいが起こる。上肢の測定障害のためADLが制限されている。頭部MRI(別冊No.5)を別に示す。
萎縮が認められる部位はどれか。2つ選べ。
- 1. 脳梁
- 2. 小脳 ✓
- 3. 後頭葉
- 4. 帯状回
- 5. 脳幹部 ✓
正答:2・5番
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解説
■ 正答:2・5番 — 小脳/脳幹部
頭部MRIの正中矢状断像では、小脳虫部の小脳葉が細く痩せて葉間の溝(裂)が著明に開大し、木の枝が細くなったような小脳萎縮を示しています。同時に橋の腹側が扁平化して細くなり、橋前槽と第四脳室が拡大しており脳幹(橋)の萎縮も明らかです。3年前からの構音障害(ろれつが回らない)・体幹失調による歩行不安定・上肢の測定障害という臨床像は小脳性運動失調そのもので、画像所見と一致します(脊髄小脳変性症/オリーブ橋小脳萎縮症)。
【各選択肢の解説】
1. 脳梁
❌ 誤り。図では脳梁は膝部から膨大部まで厚みが保たれ、菲薄化していません。脳梁の萎縮・菲薄化は多発性硬化症や進行性核上性麻痺などで問題になる所見です。
❌ 誤り。図では脳梁は膝部から膨大部まで厚みが保たれ、菲薄化していません。脳梁の萎縮・菲薄化は多発性硬化症や進行性核上性麻痺などで問題になる所見です。
2. 小脳
✅ 正しい。小脳虫部の葉が細くなり、葉間の溝が著明に開大しています。上肢の測定障害・体幹失調・構音障害という症状とも一致します。
✅ 正しい。小脳虫部の葉が細くなり、葉間の溝が著明に開大しています。上肢の測定障害・体幹失調・構音障害という症状とも一致します。
3. 後頭葉
❌ 誤り。後頭葉の皮質・脳溝は年齢相応で、萎縮を示す脳溝の拡大はありません。視野障害などの症状の記載もありません。
❌ 誤り。後頭葉の皮質・脳溝は年齢相応で、萎縮を示す脳溝の拡大はありません。視野障害などの症状の記載もありません。
4. 帯状回
❌ 誤り。脳梁のすぐ上を走る帯状回は厚みが保たれています。
❌ 誤り。脳梁のすぐ上を走る帯状回は厚みが保たれています。
5. 脳幹部
✅ 正しい。橋腹側が細く扁平化し、橋前槽と第四脳室が拡大しており脳幹の萎縮を認めます。小脳と脳幹が同時に萎縮するのがオリーブ橋小脳萎縮症の特徴です。
✅ 正しい。橋腹側が細く扁平化し、橋前槽と第四脳室が拡大しており脳幹の萎縮を認めます。小脳と脳幹が同時に萎縮するのがオリーブ橋小脳萎縮症の特徴です。
【試験対策ポイント】
小脳性運動失調の3本柱=①構音障害(断綴性・爆発性言語)②体幹失調(開脚歩行・動揺性歩行)③四肢の協調運動障害(測定障害・反復拮抗運動不能・企図振戦)。
矢状断MRIの読み方は「小脳虫部の溝が開いていないか」「橋腹側が薄くなっていないか」の2点を必ず確認します。水平断T2で橋に十字状の高信号(hot cross bun sign)が出れば多系統萎縮症(MSA-C)を強く示唆します。
なお「起き上がるとめまいが起こる」は起立性低血圧=自律神経障害を示唆し、MSAでは小脳症状・パーキンソニズム・自律神経障害が組み合わさることを押さえておきましょう。
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