PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第26問

理学療法評価学第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第26問(理学療法評価学)の正答は 2 です。機能残存レベルは「MMT3以上の筋力を保つ最も遠位の髄節(key muscle)」で判定します。

問題
25歳の男性。登山で滑落し頸髄完全損傷。Danielsらの徒手筋力テストで左右とも三角筋5、上腕二頭筋5、長橈側手根伸筋4、上腕三頭筋1、手指屈筋0、体幹筋0、下肢筋0である。 この患者の機能残存レベルはどれか。
  1. 1. C5
  2. 2. C6
  3. 3. C7
  4. 4. C8
  5. 5. T1

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — C6

機能残存レベルは「MMT3以上の筋力を保つ最も遠位の髄節(key muscle)」で判定します。本例では手関節背屈筋である長橈側手根伸筋(C6のkey muscle)がMMT4で機能していますが、より遠位の上腕三頭筋(C7)はMMT1で使えません。したがって機能残存レベルはC6です。


【各選択肢の解説】

1. C5
❌ 誤り。C5のkey muscleである肘屈筋(上腕二頭筋)はMMT5で正常です。さらに遠位のC6も残存しているため、残存レベルはC5より下位になります。
2. C6
✅ 正しい。C6のkey muscleである長橈側手根伸筋がMMT4で機能しており、これより遠位(C7の上腕三頭筋MMT1)は機能していません。
3. C7
❌ 誤り。C7のkey muscleである上腕三頭筋がMMT1(わずかな収縮のみ)で、機能残存とはいえません。プッシュアップや肘を伸ばした支持もできません。
4. C8
❌ 誤り。C8のkey muscleである手指屈筋(深指屈筋)がMMT0で完全麻痺です。
5. T1
❌ 誤り。T1は手内在筋(小指外転筋)のレベルで、それ以下はすべて0です。

【試験対策ポイント】

頸髄損傷レベルとkey muscle・到達可能なADL(超頻出)

レベルkey muscle到達可能なADL
C5上腕二頭筋(肘屈曲)食事は自助具+介助、電動車椅子
C6長橈側手根伸筋(手関節背屈)腱固定作用で把持可、自助具で食事自立、平地の車椅子自走、改造車の運転可
C7上腕三頭筋(肘伸展)プッシュアップ可能、移乗自立、床上動作自立
C8深指屈筋(手指屈曲)把持が可能でADLはほぼ自立
T1小指外転筋(手内在筋)上肢機能は正常

C6の腱固定作用(テノデーシスアクション)=手関節を背屈すると指が他動的に屈曲して物をつまめる仕組みは必ず覚えましょう。C6とC7の境目は「プッシュアップができるかどうか」で判断します。

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