PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第30問

理学療法評価学第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第30問(理学療法評価学)の正答は 3 です。図では、前方の台に両手をついて体幹を前傾させていますが、両下肢は膝をほぼ伸展したまま左右まったく同じ形で後方に投げ出され、足底が床についていません。

問題
10歳の女児。痙直型両麻痺。移動には四つ這い、歩行器での歩行および車椅子自走を併用している。この女児が立ち上がろうとして図のような姿勢になった。 原因として考えられるのはどれか。
第44回午前第30問 図
  1. 1. 緊張性迷路反射の残存
  2. 2. 膝関節伸展可動域の低下
  3. 3. 下肢の左右分離運動困難
  4. 4. 上肢の屈曲共同運動の出現
  5. 5. 緊張性対称性頸反射の残存

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 下肢の左右分離運動困難

図では、前方の台に両手をついて体幹を前傾させていますが、両下肢は膝をほぼ伸展したまま左右まったく同じ形で後方に投げ出され、足底が床についていません。立ち上がるには片脚ずつ足部を身体の下に引き込む左右非対称の動きが必要ですが、それができずに両下肢が同一パターンで動いていることが、立ち上がれない原因です。


【各選択肢の解説】

1. 緊張性迷路反射の残存
❌ 誤り。緊張性迷路反射は頭部の空間位置で全身の筋緊張が変化する反射(背臥位で伸展優位、腹臥位で屈曲優位)です。図は腹臥位に近い姿勢で下肢が伸展しており、この反射のパターンとは一致しません。
2. 膝関節伸展可動域の低下
❌ 誤り。図の両膝はほぼ完全伸展しており、伸展方向の可動域制限はありません。
3. 下肢の左右分離運動困難
✅ 正しい。両下肢が左右対称に同一パターンで伸展しており、片脚だけを引き寄せるという左右別々の運動ができていません。痙直型両麻痺では下肢の分離運動が乏しく、これが立ち上がり動作を阻害します。
4. 上肢の屈曲共同運動の出現
❌ 誤り。図の両上肢は肘を伸展して台を支持しており、屈曲共同運動は出現していません。
5. 緊張性対称性頸反射の残存
❌ 誤り。緊張性対称性頸反射では頸部屈曲で上肢屈曲・下肢伸展となります。図では頸部を屈曲していますが上肢は伸展して支持しており、この反射のパターンでは説明できません。

【試験対策ポイント】

原始反射と姿勢の対応は図問題で毎回問われます。

反射頸部・頭位上肢下肢
緊張性対称性頸反射(STNR)頸部伸展伸展屈曲
緊張性対称性頸反射(STNR)頸部屈曲屈曲伸展
非対称性緊張性頸反射(ATNR)顔を向けた側伸展伸展
緊張性迷路反射(TLR)背臥位伸展優位伸展優位
緊張性迷路反射(TLR)腹臥位屈曲優位屈曲優位

図を見るときは「上肢と下肢がそれぞれ屈曲か伸展か」「左右が対称か非対称か」の2点をまず確認します。反射のパターンに当てはまらなければ、分離運動障害や可動域制限など運動機能そのものの問題を疑います。

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