PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第33問

内部障害理学療法第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第33問(内部障害理学療法)の正答は 4 です。本例は1秒率約66%(70%未満)・%肺活量87.5%(80%以上)で、閉塞性換気障害です。

問題
45歳の男性。息切れで階段を昇れなくなったため受診した。スパイログラムで図のような計測値と努力呼出曲線とを得た。 この患者の呼吸理学療法の目的はどれか。
第44回午前第33問 図
  1. 1. 胸式呼吸による肺活量の改善
  2. 2. 有酸素運動による残気量の減少
  3. 3. 部分呼吸法による努力性肺活量の増加
  4. 4. 口すぼめ呼吸による機能的残気量の減少
  5. 5. 胸郭柔軟性運動による拘束性換気障害の改善

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 口すぼめ呼吸による機能的残気量の減少

本例は1秒率約66%(70%未満)・%肺活量87.5%(80%以上)で、閉塞性換気障害です。閉塞性障害では呼気時に末梢気道が虚脱して空気が肺に閉じ込められ(エアートラッピング)、機能的残気量が増加します。口すぼめ呼吸は呼気時の気道内圧を高めて末梢気道の虚脱を防ぎ、呼出を促して機能的残気量を減少させるため、呼吸理学療法の目的として適切です。


【各選択肢の解説】

1. 胸式呼吸による肺活量の改善
❌ 誤り。閉塞性障害では肺の過膨張により横隔膜が平低化しています。指導すべきは横隔膜(腹式)呼吸で、胸式呼吸は補助呼吸筋の酸素消費を増やして呼吸仕事量を高めてしまいます。
2. 有酸素運動による残気量の減少
❌ 誤り。有酸素運動の目的は運動耐容能・ADL・QOLの改善であり、残気量そのものを減らす効果はありません。むしろ運動時には動的過膨張により残気量が増える方向に働きます。
3. 部分呼吸法による努力性肺活量の増加
❌ 誤り。部分呼吸法(局所呼吸練習)は換気が低下した特定の肺領域の拡張を促す手技で、努力性肺活量の増加を目的とするものではありません。
4. 口すぼめ呼吸による機能的残気量の減少
✅ 正しい。呼気時に口をすぼめて気道内圧を保つことで末梢気道の虚脱を防ぎ、呼出量を増やして過膨張(機能的残気量の増加)を軽減します。閉塞性障害の中心的な呼吸法です。
5. 胸郭柔軟性運動による拘束性換気障害の改善
❌ 誤り。%肺活量が87.5%と正常範囲であり、拘束性換気障害は認めません。改善すべき対象そのものが存在しません。

【試験対策ポイント】

換気障害の型と理学療法の対応を結び付けて覚えます。

判定代表疾患理学療法の柱
閉塞性1秒率70%未満COPD・気管支喘息口すぼめ呼吸・横隔膜呼吸・排痰・運動療法
拘束性%肺活量80%未満間質性肺炎・肺線維症・胸郭変形胸郭可動域運動・深呼吸練習
混合性両方が該当進行したCOPDなど両者の併用

口すぼめ呼吸は「吸気は鼻から1〜2秒、呼気は口をすぼめて4〜6秒」が指導の目安で、呼気を吸気の2倍程度に延長します。

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