PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午後 第42問

内部障害理学療法第49回午後

第49回 理学療法士国家試験 午後 第42問(内部障害理学療法)の正答は 1 です。慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する包括的呼吸リハビリテーションは、運動療法を中核として運動耐容能の改善、呼吸困難の軽減、健康関連QOLの向上、増悪による入院の減少といった効果が確立しています(エビデンスレベルA)。

問題
慢性閉塞性肺疾患における包括的呼吸リハビリテーションで正しいのはどれか。
  1. 1. 運動耐容能の改善を図ることができる。
  2. 2. 吸気時に動作を行うように指導する。
  3. 3. 上肢筋力トレーニングは行わない。
  4. 4. 健康関連QOLに影響を与えない。
  5. 5. 栄養指導は含まない。

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 運動耐容能の改善を図ることができる。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する包括的呼吸リハビリテーションは、運動療法を中核として運動耐容能の改善、呼吸困難の軽減、健康関連QOLの向上、増悪による入院の減少といった効果が確立しています(エビデンスレベルA)。肺機能そのものは改善しなくても、活動能力は改善する点が重要です。


【各選択肢の解説】

1. 運動耐容能の改善を図ることができる。
✅ 正しい。下肢を中心とした持久力トレーニングにより6分間歩行距離や最高酸素摂取量が改善することが多数示されています。COPDリハの最も確立した効果です。
2. 吸気時に動作を行うように指導する。
❌ 誤り。COPDでは呼気に時間がかかるため、呼気に合わせて動作を行うよう指導します(口すぼめ呼吸で息を吐きながら動く)。息をこらえたり吸気時に力を入れると呼吸困難が増強します。
3. 上肢筋力トレーニングは行わない。
❌ 誤り。上肢の運動は洗髪・更衣・物干しなどADLに直結し、上肢挙上時の呼吸困難を軽減するため、上肢トレーニングも推奨されます。
4. 健康関連QOLに影響を与えない。
❌ 誤り。呼吸リハビリテーションは健康関連QOL(SGRQ、CRQなど)を有意に改善させることが示されています。
5. 栄養指導は含まない。
❌ 誤り。COPDではやせ(体重減少・骨格筋量低下)が予後不良因子であり、栄養評価・栄養指導は包括的プログラムの構成要素です。

【試験対策ポイント】

包括的呼吸リハビリテーションの構成要素=運動療法(中核)+コンディショニング+ADL指導+栄養指導+患者教育+心理社会的支援+薬物・酸素療法の管理

  • 効果が示されているもの=運動耐容能↑、呼吸困難↓、健康関連QOL↑、入院日数↓、不安・抑うつ↓。
  • 効果が乏しいもの=1秒量(FEV1)などの呼吸機能そのものは改善しない(ここが定番の引っかけ)。
  • 呼吸法=口すぼめ呼吸(呼気時の気道虚脱を防ぐ)と腹式(横隔膜)呼吸。動作は必ず呼気に合わせる。
  • 運動処方の目安はBorg指数11〜13(楽である〜ややきつい)SpO2が90%未満になったら中止または酸素流量の調整。
  • 上肢挙上動作は呼吸補助筋を使えなくするため呼吸困難が出やすい。動作を分割し、呼気に合わせて行うよう指導する。
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