PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午前 第66問

神経内科学第44回午前

第44回 理学療法士国家試験 午前 第66問(神経内科学)の正答は 2 です。Guillain-Barré症候群は、発症の1〜3週間前に上気道感染や下痢(Campylobacter jejuni、サイトメガロウイルス、EBウイルスなど)といった先行感染を認めるのが典型です。

問題
Guillain-Barré症候群について正しいのはどれか。
  1. 1. 呼吸障害は合併しない。
  2. 2. 先行感染症状がみられる。
  3. 3. 軸索型の予後は良好である。
  4. 4. 髄液中の細胞増多がみられる。
  5. 5. 左右非対称に四肢の筋力低下が進行する。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 先行感染症状がみられる。

Guillain-Barré症候群は、発症の1〜3週間前に上気道感染や下痢(Campylobacter jejuni、サイトメガロウイルス、EBウイルスなど)といった先行感染を認めるのが典型です。感染で生じた抗体が末梢神経の糖脂質を交叉攻撃する自己免疫機序(分子相同性)で発症します。


【各選択肢の解説】

1. 呼吸障害は合併しない。
❌ 誤り。約20〜30%で呼吸筋麻痺をきたし、人工呼吸器管理が必要になることがあります。急性期は肺活量や努力性肺活量のモニタリングが必須です。
2. 先行感染症状がみられる。
✅ 正しい。上気道炎や下痢などの先行感染が約7割にみられ、1〜3週後に筋力低下が出現します。
3. 軸索型の予後は良好である。
❌ 誤り。軸索型(AMAN、AMSAN)は脱髄型(AIDP)より回復が遅く、予後は不良とされます。軸索再生には時間がかかり後遺症を残しやすいためです。
4. 髄液中の細胞増多がみられる。
❌ 誤り。髄液所見は蛋白細胞解離(蛋白は増加するが細胞数は正常)が特徴です。細胞増多は髄膜炎などを示唆します。
5. 左右非対称に四肢の筋力低下が進行する。
❌ 誤り。左右対称性に、下肢遠位から近位へ上行する筋力低下が典型です(上行性麻痺)。腱反射は早期から消失します。

【試験対策ポイント】

Guillain-Barré症候群の頻出ポイントをまとめます。

  • 経過:先行感染 → 1〜3週後に発症 → 4週以内にピーク → 単相性に回復(進行が4週を超えるならCIDPを疑う)
  • 症状:左右対称・下肢遠位から上行、腱反射消失、自律神経症状(血圧変動・不整脈)、脳神経症状(顔面神経麻痺・嚥下障害)
  • 検査:髄液の蛋白細胞解離、神経伝導検査で伝導速度低下(脱髄型)
  • 治療:血漿交換、免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)。ステロイド単独は無効
  • 理学療法:過用性筋力低下(overwork weakness)に注意し、疲労を残さない負荷で。急性期は良肢位保持と関節可動域運動、回復期に漸増的な筋力増強
「蛋白細胞解離」「左右対称」「腱反射消失」の3点セットは確実に押さえましょう。

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