PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第44回 理学療法士国家試験 午後 第40問

運動学第44回午後

第44回 理学療法士国家試験 午後 第40問(運動学)の正答は 1・4 です。短母指外転筋は母指球筋(正中神経支配)の一つで、母指を掌側外転させながら対立運動の初期成分を担います。

問題
手の運動について正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 短母指外転筋は母指の対立に関与する。
  2. 2. 虫様筋は母指の内転に関与する。
  3. 3. 第一背側骨間筋は横つまみに関与しない。
  4. 4. 指伸筋はMP関節を伸展する。
  5. 5. 掌側骨間筋はPIP関節を屈曲する。

正答:1・4番

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解説
■ 正答:1・4番 — 短母指外転筋は母指の対立に関与する/指伸筋はMP関節を伸展する

短母指外転筋は母指球筋(正中神経支配)の一つで、母指を掌側外転させながら対立運動の初期成分を担います。指伸筋(総指伸筋)は中手指節関節(MP関節)の伸展が主作用で、PIP・DIP関節の伸展には虫様筋・骨間筋の働きが不可欠です。


【各選択肢の解説】

1. 短母指外転筋は母指の対立に関与する。
✅ 正しい。母指対立は掌側外転+屈曲+回内の複合運動で、短母指外転筋・母指対立筋・短母指屈筋が協調して行います。
2. 虫様筋は母指の内転に関与する。
❌ 誤り。虫様筋は第2〜5指のMP関節屈曲+PIP・DIP関節伸展に働きます。母指内転は母指内転筋(尺骨神経)です。
3. 第一背側骨間筋は横つまみに関与しない。
❌ 誤り。横つまみ(側腹つまみ・key pinch)では母指内転筋とともに第一背側骨間筋が示指を橈側から支え、対抗力をつくります。尺骨神経麻痺でこのつまみが弱くなりFroment徴候が出ます。
4. 指伸筋はMP関節を伸展する。
✅ 正しい。IP関節の伸展は指伸筋単独では完成しません。
5. 掌側骨間筋はPIP関節を屈曲する。
❌ 誤り。骨間筋は虫様筋と同じくMP屈曲+PIP・DIP伸展に働きます。加えて掌側骨間筋は内転(PAD)、背側骨間筋は外転(DAB)です。

【試験対策ポイント】

PAD・DABの語呂(Palmar ADduct/Dorsal ABduct)は必ず覚えます。虫様筋・骨間筋の「MP屈曲+IP伸展」が失われると鷲手(claw hand)=MP過伸展・IP屈曲となり、これが尺骨神経麻痺の典型像です。

母指球筋(正中神経)が麻痺すると猿手となり対立不能に、母指内転筋(尺骨神経)が麻痺するとFroment徴候(紙をつまむと母指IPが屈曲する)が陽性になります。麻痺神経と変形の対応をセットで整理しましょう。

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