PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午前 第34問

神経疾患理学療法第45回午前

第45回 理学療法士国家試験 午前 第34問(神経疾患理学療法)の正答は 3 です。頸椎直達牽引(Crutchfield牽引など)中は頸椎の安定性が得られていません。

問題
頸髄損傷受傷3日後で頸椎直達牽引中の患者に対する肩関節可動域訓練で屈曲角度の上限はどれか。
  1. 1. 30°
  2. 2. 60°
  3. 3. 90°
  4. 4. 120°
  5. 5. 150°

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 90°

頸椎直達牽引(Crutchfield牽引など)中は頸椎の安定性が得られていません。肩関節の屈曲・外転が90°を超えると肩甲上腕リズムにより肩甲骨が挙上・上方回旋し、その動きが頸椎へ伝わって牽引効果を損ない、損傷部の転位を招く恐れがあります。したがって上限は90°とします。


【各選択肢の解説】

1. 30°
❌ 誤り。制限が強すぎて拘縮予防という目的を果たせない。90°までは安全に実施できる。
2. 60°
❌ 誤り。同様に過度な制限で、肩関節拘縮を招く。
3. 90°
✅ 正しい。肩甲帯の動きが頸椎に及ばない範囲の上限が90°であり、これを超えない範囲で毎日可動域運動を行う。
4. 120°
❌ 誤り。120°では肩甲骨の上方回旋が生じ、頸椎に牽引・回旋ストレスがかかる。
5. 150°
❌ 誤り。さらに危険で、損傷部の転位リスクが高い。

【試験対策ポイント】

  • 頸髄損傷急性期の可動域運動:肩関節屈曲・外転は90°まで、頸部の屈曲・伸展・回旋は行わない
  • 急性期のリスク管理=脊髄ショック(徐脈・低血圧)、起立性低血圧、体温調節障害、自律神経過反射(Th6以上で膀胱充満などを契機に血圧上昇・頭痛・発汗)、褥瘡、呼吸管理
  • C6レベルでは手関節背屈による腱固定作用(tenodesis)で把持するため、手指屈筋腱をあえて伸ばしすぎないよう可動域運動を加減する(ROM訓練の例外として頻出)
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