PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午前 第40問

内部障害理学療法第45回午前

第45回 理学療法士国家試験 午前 第40問(内部障害理学療法)の正答は 3 です。COPDでは末梢気道が呼気時に虚脱して息を吐き切れず、肺が過膨張します。

問題
慢性閉塞性肺疾患患者へのADLの指導で誤っているのはどれか。
  1. 1. 作業は座位で行う。
  2. 2. 動作時は腹式呼吸を心がける。
  3. 3. 呼気よりも吸気に時間をかける。
  4. 4. 両上肢挙上位を避けて作業する。
  5. 5. 物を持ち上げる際は呼気で行う。

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 呼気よりも吸気に時間をかける。

COPDでは末梢気道が呼気時に虚脱して息を吐き切れず、肺が過膨張します。したがってADL指導では呼気を長くする(口すぼめ呼吸で吸気:呼気=1:2〜1:3)ことが原則であり、吸気に時間をかけるのは誤りです。


【各選択肢の解説】

1. 作業は座位で行う。
✅ 正しい。立位より座位のほうが酸素消費量が少ない。動作を分割して休息を挟むことでも呼吸困難を軽減できる。
2. 動作時は腹式呼吸を心がける。
✅ 正しい。動作と呼吸を同調させ、横隔膜主体の効率のよい呼吸を保つ。
3. 呼気よりも吸気に時間をかける。
❌ 誤り(設問の「誤っているもの」=正答)。時間をかけるのは呼気である。
4. 両上肢挙上位を避けて作業する。
✅ 正しい。上肢挙上位は肩甲帯を固定して働く呼吸補助筋を使えなくし、胸郭運動も制限するため呼吸困難が強まる(洗髪・高い棚の物を取る・洗濯物を干す動作は要注意)。
5. 物を持ち上げる際は呼気で行う。
✅ 正しい。力を要する動作は呼気に合わせる。息をこらえる(Valsalva)と胸腔内圧が上昇して静脈還流が減り、呼吸困難と血圧変動を招く。

【試験対策ポイント】

  • COPDのADL指導5原則=息を止めない・力む動作は呼気に合わせる・上肢挙上を避ける・肘や腕を支える・動作をゆっくり分割する
  • 増悪のサイン=痰の増加と膿性化、呼吸困難の増強、発熱。早期受診を指導する
  • 運動中止基準=SpO2 90%未満、著しい呼吸困難、頻脈、チアノーゼ
  • 栄養管理も重要:呼吸仕事量増大による体重減少(るいそう)は予後不良因子。高カロリー・分割食を指導する
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