PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午前 第75問

病理学概論第45回午前

第45回 理学療法士国家試験 午前 第75問(病理学概論)の正答は 4 です。アポトーシスは遺伝子にプログラムされた能動的な細胞死で、カスパーゼの活性化によりエンドヌクレアーゼが働き、DNAがヌクレオソーム単位で切断される(DNAラダー形成)のが最大の特徴です。

問題
アポトーシスで正しいのはどれか。
  1. 1. 細胞環境の悪化によって生じる。
  2. 2. 高濃度の酸素投与で予防できる。
  3. 3. マクロファージの浸潤を伴う。
  4. 4. DNAの断片化が生じる。
  5. 5. 核が膨張する。

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — DNAの断片化が生じる。

アポトーシスは遺伝子にプログラムされた能動的な細胞死で、カスパーゼの活性化によりエンドヌクレアーゼが働き、DNAがヌクレオソーム単位で切断される(DNAラダー形成)のが最大の特徴です。細胞は縮小し、周囲に炎症を起こさずに処理されます。


【各選択肢の解説】

1. 細胞環境の悪化によって生じる。
❌ 誤り。虚血・低酸素・外傷・毒物など細胞環境の悪化によって受動的に起こる細胞死はネクローシス(壊死)です。アポトーシスは生理的・プログラム的に起こります。
2. 高濃度の酸素投与で予防できる。
❌ 誤り。アポトーシスは酸素供給の有無で左右される現象ではなく、酸素投与で予防できません。むしろ高濃度酸素による酸化ストレスは細胞傷害の原因になります。
3. マクロファージの浸潤を伴う。
❌ 誤り。アポトーシスでは細胞膜が保たれたままアポトーシス小体となり、隣接細胞などに速やかに貪食されるため炎症反応(好中球・マクロファージの浸潤)を伴いません。炎症性細胞浸潤を伴うのはネクローシスです。
4. DNAの断片化が生じる。
✅ 正しい。約180〜200塩基対の倍数でDNAが切断され、電気泳動でラダー状のパターンを示します。
5. 核が膨張する。
❌ 誤り。アポトーシスでは核が濃縮(クロマチン凝縮)し断片化します。核や細胞が膨潤して破裂するのはネクローシスの所見です。

【試験対策ポイント】

項目アポトーシスネクローシス(壊死)
原因プログラムされた生理的細胞死虚血・外傷・毒物など環境の悪化
細胞の変化縮小しアポトーシス小体になる膨潤して破裂する
濃縮・断片化(DNAラダー)融解・崩壊
細胞膜保たれる破綻して内容物が漏出
炎症伴わない伴う(白血球浸潤)
範囲単一の細胞単位細胞集団・組織単位

代表例は、アポトーシスが胎生期の指の分離(水かきの消失)・免疫系での自己反応性リンパ球の除去、ネクローシスが心筋梗塞・脳梗塞・褥瘡です。「アポトーシスは静かに縮んで消える、ネクローシスは膨れて破裂し炎症を起こす」と対比して覚えましょう。

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