PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第13問

理学療法評価学第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第13問(理学療法評価学)の正答は 3 です。図は、長下肢装具を装着した対麻痺者が車椅子から立ち上がる一連の動作です。

問題
長下肢装具を装着した脊髄損傷者の立ち上がりの行程を図に示す。この動作が可能な最も高位の機能残存レベルはどれか。
第45回午後第13問 図
  1. 1. T4
  2. 2. T8
  3. 3. T12
  4. 4. L2
  5. 5. L4

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — T12

図は、長下肢装具を装着した対麻痺者が車椅子から立ち上がる一連の動作です。車椅子上で両下肢を前方に下ろし、両松葉杖を保持しながら殿部を前方にずらして両足底を床につけ、体幹を大きく前傾させながら車椅子を押して殿部を持ち上げ、杖に持ち替えて体幹を起こし松葉杖立位になっています。この動作には腹筋・背筋による体幹の安定と骨盤のコントロールが不可欠で、腹筋群が完全に機能するT12が可能な最も高位のレベルです。


【各選択肢の解説】

1. T4
❌ 誤り。上位胸髄レベルでは腹筋・背筋がほとんど働かず体幹の安定性が乏しいため、装具を用いた立位保持は可能でも、自力での立ち上がりは困難です。歩行も治療的歩行にとどまります。
2. T8
❌ 誤り。上部腹筋が働き始める程度で、骨盤の引き上げや体幹の支持が不十分です。実用的な立ち上がりと大振り歩行には至りません。
3. T12
✅ 正しい。腹筋群が完全に機能し、腰方形筋による骨盤挙上も可能となるため、長下肢装具と松葉杖を用いた立ち上がりと大振り歩行が実用レベルになります。
4. L2
❌ 誤り。腸腰筋が働き歩行能力はさらに高くなりますが、設問は「可能な最も高位の残存レベル」を問うており、T12より低位のL2は答えになりません。
5. L4
❌ 誤り。大腿四頭筋が機能するため短下肢装具レベルでの歩行が可能で、そもそも長下肢装具を必要としません。

【試験対策ポイント】

脊髄損傷の機能残存レベルと移動能力の対応は頻出です。

残存レベル主な残存筋移動能力の目安
C6手関節背屈筋車椅子駆動自立、移乗に補助具
C7〜C8上腕三頭筋・手指屈筋プッシュアップ可、移乗自立
T1〜T6上肢完全・上部体幹車椅子自立。装具歩行は治療的
T7〜T12腹筋・背筋長下肢装具+松葉杖で大振り歩行(T12で実用的)
L2〜L3腸腰筋・内転筋長下肢装具+杖で実用歩行
L4〜L5大腿四頭筋・前脛骨筋短下肢装具で実用歩行

「実用的な装具歩行の分かれ目はT12」「短下肢装具で歩けるのはL4以下」という2点を軸に整理すると解きやすくなります。

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