PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第45回 理学療法士国家試験 午後 第41問

内部障害理学療法第45回午後

第45回 理学療法士国家試験 午後 第41問(内部障害理学療法)の正答は 2 です。NPPVはマスクを介して気道に陽圧を送り、胸郭と肺を膨らませて換気を補助する方法です。

問題
非侵襲的陽圧換気(NPPV:non-invasive positive pressure ventilation)療法で正しいのはどれか。
  1. 1. 重度の咽喉頭機能障害の症例に適応がある。
  2. 2. 胸郭可動性の制限があると効果は低下する。
  3. 3. 呼吸管理後は口頭での会話はできない。
  4. 4. 咳嗽力がない症例に適応がある。
  5. 5. 気管切開が禁忌の場合に行う。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 胸郭可動性の制限があると効果は低下する。

NPPVはマスクを介して気道に陽圧を送り、胸郭と肺を膨らませて換気を補助する方法です。したがって胸郭のコンプライアンスが低下して可動性が制限されていると、同じ圧をかけても得られる換気量が減り効果が低下します。胸郭可動性の維持が理学療法の重要な役割になる理由でもあります。


【各選択肢の解説】

1. 重度の咽喉頭機能障害の症例に適応がある。
❌ 誤り。上気道の閉塞や誤嚥のリスクが高い重度の咽喉頭機能障害では気道確保ができないため、NPPVの禁忌にあたります。
2. 胸郭可動性の制限があると効果は低下する。
✅ 正しい。胸郭コンプライアンスの低下は送気量に対する肺胞換気量の増加を妨げ、換気補助の効率を下げます。
3. 呼吸管理後は口頭での会話はできない。
❌ 誤り。NPPVは声門を迂回しないためマスクを外せば会話でき、装着中も発声は可能です。会話ができなくなるのは気管挿管や気管切開の場合です。
4. 咳嗽力がない症例に適応がある。
❌ 誤り。自力で喀痰を排出できない症例は気道閉塞のリスクが高く、NPPV単独では管理できません。禁忌または慎重適応です。
5. 気管切開が禁忌の場合に行う。
❌ 誤り。NPPVは気管挿管・気管切開を「回避する」ために早期から用いる方法であり、気管切開が禁忌だから代替として行うという位置づけではありません。

【試験対策ポイント】

NPPVの適応は、COPD急性増悪(Ⅱ型呼吸不全)・心原性肺水腫・神経筋疾患による慢性換気不全・睡眠時無呼吸症候群・抜管後の呼吸不全予防など。禁忌は、心停止/呼吸停止、意識障害で協力が得られない場合、気道確保が困難な場合(重度の咽喉頭機能障害)、喀痰を自己排出できない場合、顔面外傷や上気道閉塞、大量の消化管出血。

「意識があり、自分で痰が出せて、マスクが装着できる」の3条件が適応の骨格。長所は非侵襲的で会話・経口摂取が可能、着脱が容易、人工呼吸器関連肺炎が少ないこと。短所はマスクによる皮膚障害(鼻根部の褥瘡)・空気嚥下・リークで、理学療法士はマスクフィッティングと胸郭可動域の維持で貢献する。

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