第45回 理学療法士国家試験 午後 第71問
運動学第45回午後
第45回 理学療法士国家試験 午後 第71問(運動学)の正答は 4 です。母指の手根中手(CM)関節は大菱形骨と第1中手骨からなる典型的な鞍関節で、屈曲‐伸展と外転‐内転の2自由度をもちます。
問題
手で正しいのはどれか。
- 1. MP関節は1度の運動自由度をもつ。
- 2. MP関節屈曲の主動筋は浅指屈筋である。
- 3. PIP関節屈曲の主動筋は深指屈筋である。
- 4. 母指のCM関節は2度の運動自由度をもつ。 ✓
- 5. 手関節を背屈すると手指の伸展がしやすくなる。
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — 母指のCM関節は2度の運動自由度をもつ。
母指の手根中手(CM)関節は大菱形骨と第1中手骨からなる典型的な鞍関節で、屈曲‐伸展と外転‐内転の2自由度をもちます。この2つの運動を組み合わせることで母指対立が可能になり、ヒトの手の巧緻性の基礎になっています。
【各選択肢の解説】
1. MP関節は1度の運動自由度をもつ。
❌ 誤り。手指のMP関節は顆状(球関節に近い)関節で、屈曲‐伸展と外転‐内転の2自由度をもちます。1自由度の蝶番関節はPIP・DIP関節です。
❌ 誤り。手指のMP関節は顆状(球関節に近い)関節で、屈曲‐伸展と外転‐内転の2自由度をもちます。1自由度の蝶番関節はPIP・DIP関節です。
2. MP関節屈曲の主動筋は浅指屈筋である。
❌ 誤り。MP関節屈曲の主動作筋は虫様筋・骨間筋(手内在筋)です。尺骨神経麻痺で鷲手変形が生じるのは、この作用が失われるためです。
❌ 誤り。MP関節屈曲の主動作筋は虫様筋・骨間筋(手内在筋)です。尺骨神経麻痺で鷲手変形が生じるのは、この作用が失われるためです。
3. PIP関節屈曲の主動筋は深指屈筋である。
❌ 誤り。PIP関節屈曲の主動作筋は浅指屈筋です。深指屈筋はDIP関節屈曲を担います。
❌ 誤り。PIP関節屈曲の主動作筋は浅指屈筋です。深指屈筋はDIP関節屈曲を担います。
4. 母指のCM関節は2度の運動自由度をもつ。
✅ 正しい。鞍関節として屈曲‐伸展と外転‐内転が可能で、その複合運動が対立です。
✅ 正しい。鞍関節として屈曲‐伸展と外転‐内転が可能で、その複合運動が対立です。
5. 手関節を背屈すると手指の伸展がしやすくなる。
❌ 誤り。逆です。手関節を背屈すると指屈筋腱が引き伸ばされて手指は屈曲しやすくなり、掌屈すると指伸筋腱が伸張されて手指は伸展方向へ動きます(腱固定作用=テノデーシスアクション)。
❌ 誤り。逆です。手関節を背屈すると指屈筋腱が引き伸ばされて手指は屈曲しやすくなり、掌屈すると指伸筋腱が伸張されて手指は伸展方向へ動きます(腱固定作用=テノデーシスアクション)。
【試験対策ポイント】
指の屈曲は「関節ごとに担当筋が違う」ことを表で押さえます。
| 関節 | 屈曲の主動作筋 | 支配神経 |
|---|---|---|
| MP関節 | 虫様筋・骨間筋 | 第1と第2虫様筋は正中神経、他は尺骨神経 |
| PIP関節 | 浅指屈筋 | 正中神経 |
| DIP関節 | 深指屈筋 | 示指と中指は正中神経、環指と小指は尺骨神経 |
テノデーシスアクションはC6頸髄損傷者のADL自立に直結する重要事項です。手指の随意運動が失われても手関節背屈が残っていれば、背屈により母指と示指が近づいて自動的につまみ動作(テノデーシスグリップ)が可能になります。そのため、あえて指屈筋腱の短縮を残す(過度なストレッチを避ける)関節可動域管理が行われます。
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