第46回 理学療法士国家試験 午前 第34問
整形外科学第46回午前
第46回 理学療法士国家試験 午前 第34問(整形外科学)の正答は 2 です。骨転移には骨が溶ける溶骨性と骨が硬くなる造骨性があります。
問題
転移性骨腫瘍で正しいのはどれか。
- 1. 安静により骨折は予防できる。
- 2. 造骨性転移では病的骨折は少ない。 ✓
- 3. 虚血で生じる脊髄麻痺は徐々に進行する。
- 4. 骨転移による痛みに対して温熱療法を行う。
- 5. 前立腺癌の骨転移はエックス線写真にて骨吸収像を示す。
正答:2番
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解説
■ 正答:2番 — 造骨性転移では病的骨折は少ない。
骨転移には骨が溶ける溶骨性と骨が硬くなる造骨性があります。造骨性転移では骨梁が増生して骨密度が上がるため、溶骨性転移に比べて病的骨折の頻度は低くなります。前立腺癌が造骨性転移の代表です。
【各選択肢の解説】
1. 安静により骨折は予防できる。
❌ 誤り。溶骨性病変では骨強度そのものが低下しているため、体位変換や移乗など日常のわずかな外力でも病的骨折が生じます。安静だけでは予防できず、放射線治療・骨修飾薬・予防的内固定・装具による免荷が必要です。
❌ 誤り。溶骨性病変では骨強度そのものが低下しているため、体位変換や移乗など日常のわずかな外力でも病的骨折が生じます。安静だけでは予防できず、放射線治療・骨修飾薬・予防的内固定・装具による免荷が必要です。
2. 造骨性転移では病的骨折は少ない。
✅ 正しい。前立腺癌や乳癌の一部でみられる造骨性転移は骨硬化像を呈し、骨破壊が主体の溶骨性転移(肺癌・腎癌・甲状腺癌・多発性骨髄腫)より骨折リスクが低いとされます。
✅ 正しい。前立腺癌や乳癌の一部でみられる造骨性転移は骨硬化像を呈し、骨破壊が主体の溶骨性転移(肺癌・腎癌・甲状腺癌・多発性骨髄腫)より骨折リスクが低いとされます。
3. 虚血で生じる脊髄麻痺は徐々に進行する。
❌ 誤り。腫瘍の直接浸潤・圧迫による麻痺は緩徐に進行しますが、脊髄への栄養血管が閉塞して起こる虚血性の麻痺は急激に完成し、回復も不良です。突然の下肢麻痺・膀胱直腸障害は緊急事態です。
❌ 誤り。腫瘍の直接浸潤・圧迫による麻痺は緩徐に進行しますが、脊髄への栄養血管が閉塞して起こる虚血性の麻痺は急激に完成し、回復も不良です。突然の下肢麻痺・膀胱直腸障害は緊急事態です。
4. 骨転移による痛みに対して温熱療法を行う。
❌ 誤り。悪性腫瘍のある部位への温熱療法は、局所の血流増加により腫瘍の増殖・転移を促す恐れがあり禁忌です。
❌ 誤り。悪性腫瘍のある部位への温熱療法は、局所の血流増加により腫瘍の増殖・転移を促す恐れがあり禁忌です。
5. 前立腺癌の骨転移はエックス線写真にて骨吸収像を示す。
❌ 誤り。前立腺癌は造骨性転移の代表で、エックス線では骨硬化像(白く濃く写る)を示します。骨吸収(溶骨)像ではありません。
❌ 誤り。前立腺癌は造骨性転移の代表で、エックス線では骨硬化像(白く濃く写る)を示します。骨吸収(溶骨)像ではありません。
【試験対策ポイント】
骨転移の好発部位は脊椎>骨盤>大腿骨近位>肋骨で、原発は肺・乳腺・前立腺・腎・甲状腺が5大癌です。理学療法では、病的骨折リスクの評価(長管骨では皮質の破壊が50%以上や疼痛増強で高リスク、脊椎ではSINSなど)を医師と共有し、荷重制限の指示を必ず確認します。禁忌は転移部位への温熱・過度の抵抗運動・強い牽引や徒手矯正。疼痛管理下でのADL維持と、転倒・骨折を避けた移乗方法の指導が中心になります。
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