PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午前 第39問

内部障害理学療法第46回午前

第46回 理学療法士国家試験 午前 第39問(内部障害理学療法)の正答は 1 です。COPDでは気道の閉塞により呼気が延長し、動作中に息をこらえる(Valsalva様の呼吸停止)と胸腔内圧が上昇して動的過膨張と静脈還流低下を招き、息切れが増悪します。

問題
慢性閉塞性肺疾患の呼吸理学療法で正しいのはどれか。
  1. 1. 運動中の息こらえを避ける。
  2. 2. 上肢のトレーニングは避ける。
  3. 3. 酸素吸入が必要な運動は避ける。
  4. 4. 嫌気的代謝能を優先して向上させる。
  5. 5. 運動中のSpO₂は80%を保持できればよい。

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 運動中の息こらえを避ける。

COPDでは気道の閉塞により呼気が延長し、動作中に息をこらえる(Valsalva様の呼吸停止)と胸腔内圧が上昇して動的過膨張と静脈還流低下を招き、息切れが増悪します。したがって口すぼめ呼吸と動作を同調させ、息こらえをさせない指導が基本になります。


【各選択肢の解説】

1. 運動中の息こらえを避ける。
✅ 正しい。上肢挙上や重量物の持ち上げなどで息を止めやすいため、「動作に合わせて吐く」ことを徹底し、口すぼめ呼吸を併用します。
2. 上肢のトレーニングは避ける。
❌ 誤り。上肢の運動は洗髪・更衣など上肢ADLの改善に有効で、包括的呼吸リハの標準メニューに含まれます。ただし呼吸補助筋を使うため、呼吸法との同調を指導しながら行います。
3. 酸素吸入が必要な運動は避ける。
❌ 誤り。労作時低酸素血症をきたす症例では、酸素を投与したうえで運動を行うのが標準的な方法です。酸素療法により運動耐容能が改善します。
4. 嫌気的代謝能を優先して向上させる。
❌ 誤り。優先すべきは有酸素能力の改善です。嫌気性代謝が増えると乳酸産生により換気需要が高まり、かえって呼吸困難が強くなります。
5. 運動中のSpO₂は80%を保持できればよい。
❌ 誤り。目安はSpO₂ 90%以上の維持で、88〜90%を下回れば休息・酸素流量の調整・中止を検討します。80%は明らかな低酸素血症で危険です。

【試験対策ポイント】

COPDの呼吸リハは、運動療法(下肢の持久性訓練が中心・エビデンス最強)+上肢訓練+呼吸法(口すぼめ呼吸・腹式呼吸)+ADL指導+栄養・教育の包括プログラムです。口すぼめ呼吸は気道内圧を高めて末梢気道の虚脱を防ぎ、呼気を促します(吸気1:呼気2〜3)。中止基準はSpO₂ 90%未満・修正Borgスケール5〜7以上・脈拍が年齢別最大の85%超・血圧の異常な変動・チアノーゼや冷汗などです。

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