第46回 理学療法士国家試験 午後 第14問
神経疾患理学療法第46回午後
第46回 理学療法士国家試験 午後 第14問(神経疾患理学療法)の正答は 5 です。図は腹臥位でボールに腹部から骨盤を乗せ、ボールを頭側へ転がして体を前方へ傾け、児が両上肢を前方に伸ばして床に手をつこうとしている場面です。
問題
4歳の男児。脳性麻痺痙直型両麻痺。図のような理学療法を行っている。訓練目的として誤っているのはどれか。
- 1. 上肢パラシュート反応の促通
- 2. 股関節内転筋の緊張抑制
- 3. 股関節伸展筋の促通
- 4. 体幹伸展筋の促通
- 5. 膝屈曲筋の促通 ✓
正答:5番
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解説
■ 正答:5番 — 膝屈曲筋の促通
図は腹臥位でボールに腹部から骨盤を乗せ、ボールを頭側へ転がして体を前方へ傾け、児が両上肢を前方に伸ばして床に手をつこうとしている場面です。理学療法士は両下肢を股関節伸展・外転位に保持しています。膝関節は伸展位に保たれ、ハムストリングスはむしろ伸張される肢位なので、膝屈曲筋の促通はこの姿勢の目的になりません。
【各選択肢の解説】
1. 上肢パラシュート反応の促通
✅ 正しい。前方へ倒れる刺激に対して上肢を伸展して支える保護伸展反応(前方パラシュート反応)を引き出している。
✅ 正しい。前方へ倒れる刺激に対して上肢を伸展して支える保護伸展反応(前方パラシュート反応)を引き出している。
2. 股関節内転筋の緊張抑制
✅ 正しい。痙直型両麻痺で亢進しやすい股関節内転筋(はさみ肢位の原因)を、両下肢を外転位に保持することで抑制している。
✅ 正しい。痙直型両麻痺で亢進しやすい股関節内転筋(はさみ肢位の原因)を、両下肢を外転位に保持することで抑制している。
3. 股関節伸展筋の促通
✅ 正しい。腹臥位で股関節を伸展位に保つ課題であり、大殿筋など股関節伸展筋の活動を促す。
✅ 正しい。腹臥位で股関節を伸展位に保つ課題であり、大殿筋など股関節伸展筋の活動を促す。
4. 体幹伸展筋の促通
✅ 正しい。頭部を挙上し体幹を反らせて姿勢を保つため、脊柱起立筋群の抗重力伸展活動が促される。
✅ 正しい。頭部を挙上し体幹を反らせて姿勢を保つため、脊柱起立筋群の抗重力伸展活動が促される。
5. 膝屈曲筋の促通
❌ 誤り。図では膝関節は伸展位に保持され、ハムストリングスは伸張されている。膝屈曲筋を働かせる課題ではない。
❌ 誤り。図では膝関節は伸展位に保持され、ハムストリングスは伸張されている。膝屈曲筋を働かせる課題ではない。
【試験対策ポイント】
痙直型両麻痺で問題になる肢位ははさみ肢位(股関節内転・内旋、膝屈曲、尖足)と体幹の屈曲。したがって治療の方向は必ず「股関節外転・外旋、膝伸展、足関節背屈、体幹伸展」となり、この図はその原則どおりの介入。選択肢に「短縮しやすい筋を促通する」ものが混ざっていたら誤りと判断できる。
小児の保護伸展反応(パラシュート反応)の出現時期も頻出。
| 方向 | 出現時期 |
|---|---|
| 前方 | 生後6〜7か月 |
| 側方 | 生後7か月ごろ |
| 後方 | 生後9〜10か月 |
いずれも一度出現すると生涯残存する反応で、出現の遅れは脳性麻痺を疑う所見になる。
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