PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第46回 理学療法士国家試験 午後 第29問

神経疾患理学療法第46回午後

第46回 理学療法士国家試験 午後 第29問(神経疾患理学療法)の正答は 3 です。「適切でないもの」を選ぶ問題です。

問題
筋萎縮性側索硬化症患者の球症状に対するプログラムとして適切でないのはどれか。
  1. 1. 呼吸訓練
  2. 2. 食物形態の指導
  3. 3. 舌筋の抵抗運動
  4. 4. 食事姿勢の指導
  5. 5. コミュニケーション手段の獲得

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 舌筋の抵抗運動

「適切でないもの」を選ぶ問題です。筋萎縮性側索硬化症(ALS)では変性した運動ニューロンに強い負荷をかけると過用性筋力低下を招くため、球麻痺で弱化している舌筋に抵抗運動を行うのは不適切です。球症状への介入は誤嚥・窒息の予防と代償手段の確立が中心になります。


【各選択肢の解説】

1. 呼吸訓練
✅ 適切。球麻痺では咳嗽力が低下し喀痰喀出が困難になるため、深呼吸・排痰介助・徒手や機器による咳嗽介助が有効です。呼吸不全はALSの主な死因です。
2. 食物形態の指導
✅ 適切。液体は誤嚥しやすいため増粘剤を用い、まとまりやすく咽頭を通過しやすい形態(ゼリー、ミキサー食)に調整します。
3. 舌筋の抵抗運動
❌ 不適切。変性した筋への過負荷は過用性筋力低下を招き、症状を悪化させるおそれがあります。ALSでは筋力増強を目的とした強い抵抗運動そのものを避けます。
4. 食事姿勢の指導
✅ 適切。頸部軽度前屈位(顎を引く)で気道への流入を防ぐ、リクライニング位を用いるなど、誤嚥を減らす姿勢調整は基本的な介入です。
5. コミュニケーション手段の獲得
✅ 適切。構音障害が進行するため、文字盤・透明文字盤・意思伝達装置などを、まだ操作能力が残っているうちに導入します。

【試験対策ポイント】

ALSの理学療法の原則は「過用と廃用の両方を避ける」。筋力増強訓練は行わず、疲労を残さない範囲の低負荷運動で関節可動域と残存機能を維持します。球症状=構音障害・嚥下障害(延髄の運動核の障害)。ALSで最後まで保たれやすい陰性4徴=眼球運動・膀胱直腸機能・感覚・褥瘡(ができにくい)も頻出です。

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