PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第6問

整形外科疾患理学療法第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第6問(整形外科疾患理学療法)の正答は 3 です。腰椎分離症は椎弓の関節突起間部に生じる疲労骨折で、腰椎の伸展・回旋で分離部にストレスが集中します。

問題
48歳の男性。高校時代に野球を始め、現在も週1回程度続けている。最近腰痛が悪化したため病院を受診したところ、第5腰椎分離症と診断された。3週間の自宅安静によって腰痛は軽快した。この時点で行うべき理学療法で適切でないのはどれか。
第47回午前第6問 図
  1. 1. 腕立て伏せ
  2. 2. 腹筋の筋力強化
  3. 3. 背筋の筋力強化
  4. 4. SLR訓練
  5. 5. 踵あげ

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 背筋の筋力強化

腰椎分離症は椎弓の関節突起間部に生じる疲労骨折で、腰椎の伸展・回旋で分離部にストレスが集中します。図3は腹臥位で上体を反らせる運動であり、腰椎を強く伸展させるため、この時期に行うべきではありません。設問は「適切でないのはどれか」を問うています。


【各選択肢の解説】

1. 腕立て伏せ
✅ 適切。図では殿部を高く保った姿勢で行っており、腰椎は屈曲位に保たれて伸展しない。上肢・体幹の筋力強化として問題ない。
2. 腹筋の筋力強化
✅ 適切。図は背臥位・膝屈曲位で頭部と肩甲帯を持ち上げるクランチで、腰椎は屈曲位に保たれる。腹筋群の強化は腰椎の安定化に有用である。
3. 背筋の筋力強化
❌ 不適切(これが正答)。図は腹臥位で上体を反らせる運動で、腰椎伸展により関節突起間部の分離部にせん断力・圧縮力が加わり、疼痛の再燃や偽関節化を招く。
4. SLR訓練
✅ 適切。背臥位で膝伸展位のまま下肢を挙上する運動で、腰椎伸展を伴わない。ハムストリングスの柔軟性維持にも役立つ。
5. 踵あげ
✅ 適切。椅子の背を支持しての立位での踵挙上で、下腿三頭筋の運動。腰椎への伸展ストレスはほとんどない。

【試験対策ポイント】

腰椎分離症・すべり症は「伸展・回旋を避け、屈曲位で体幹を安定させる」が原則です。

  • 好発:成長期のスポーツ選手(野球・サッカー・バレーなど)の第5腰椎に多い
  • 症状:腰椎伸展時痛。Kemp徴候(伸展+側屈+回旋で疼痛)陽性
  • 運動療法:腹横筋・多裂筋を中心とした体幹安定化、ハムストリングス・腸腰筋のストレッチ
  • 禁忌に近い運動:腰椎過伸展を伴う背筋強化、ブリッジ、体幹の急激な回旋
椎間板ヘルニア(屈曲を避ける)とは逆向きの指導になる点が頻出の対比です。

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