PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第13問

義肢装具学第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第13問(義肢装具学)の正答は 1・2 です。本児は交互性の四つ這いで床上移動が自立し、手すりを使えば移乗もかろうじて可能です。

問題
10歳の男児。脳性麻痺痙直型両麻痺。床上移動は交互性の四つ這いで自立している。移乗は手すりにつかまれば、かろうじて自力で可能である。主な移動手段は車椅子である。車椅子の作製で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 座面高は床からはい上がれる高さとする。
  2. 2. フットレストはスイングアウト式とする。
  3. 3. 座幅は成長を見越して広くする。
  4. 4. 背もたれはリクライニング式とする。
  5. 5. 背もたれの高さは肩の高さまでとする。

正答:1・2番

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解説
■ 正答:1・2番 — 座面高は床からはい上がれる高さ/フットレストはスイングアウト式

本児は交互性の四つ這いで床上移動が自立し、手すりを使えば移乗もかろうじて可能です。この残存能力を活かすには、床から自力で乗り移れる低めの座面と、移乗時に足元を開けられるスイングアウト式フットレストが適しています。


【各選択肢の解説】

1. 座面高は床からはい上がれる高さとする。
✅ 正しい。床上移動が四つ這いで自立しているため、座面が低ければ床からの自力乗り移りが可能となり、介助量を減らし活動範囲を広げられる。
2. フットレストはスイングアウト式とする。
✅ 正しい。フットレストを外側に開く(あるいは着脱する)ことで足元のスペースが確保され、立ち上がり・移乗動作が安全かつ容易になる。
3. 座幅は成長を見越して広くする。
❌ 誤り。座幅が広すぎると骨盤が側方へずれて座位が崩れ、脊柱側弯や骨盤傾斜を助長する。座幅は殿部幅+2〜3cm程度に合わせ、成長には調節機構やクッションで対応する。
4. 背もたれはリクライニング式とする。
❌ 誤り。座位保持能力があり自走・活動性のある児にリクライニングは不要で、車椅子が重く大きくなり操作性が低下する。
5. 背もたれの高さは肩の高さまでとする。
❌ 誤り。座位バランスが保てるなら背もたれは低く(肩甲骨下角〜腋窩の下あたりまで)し、肩甲帯と上肢の動きを妨げないようにする。

【試験対策ポイント】

車椅子の適合(フィッティング)の基準値は暗記事項です。

項目目安
座幅殿部最大幅+2〜3cm(広すぎは姿勢崩れ・幅増で通過性低下)
座奥行き大腿長−(3〜5cm)(膝窩を圧迫しない)
座面高下腿長+5cm程度(フットレスト下は床から5cm確保)。自力駆動や床からの移乗を狙う場合は低く
背もたれ高自走するなら肩甲骨下角より低く

「残存能力を活かす」「介助者ではなく本人の自立を優先する」が選択の原則です。

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