PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第37問

義肢装具学第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第37問(義肢装具学)の正答は 1 です。アンダーアームブレース(ボストン装具などの胸腰仙椎装具=TLSO)は腋窩より下だけを覆う装具のため、上位胸椎のカーブには矯正力を及ぼせません。

問題
特発性側弯症に対するアンダーアームブレースで誤っているのはどれか。
  1. 1. 上位胸椎の側弯に適応がある。
  2. 2. 胸椎パッドは肋骨の隆起部に当てる。
  3. 3. 腰椎パッドは腰椎の隆起部に当てる。
  4. 4. アップライトバーは骨盤ガードルに垂直に設置する。
  5. 5. 骨盤ガードル下端は上前腸骨棘を覆うようにする。

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 上位胸椎の側弯に適応がある。

アンダーアームブレース(ボストン装具などの胸腰仙椎装具=TLSO)は腋窩より下だけを覆う装具のため、上位胸椎のカーブには矯正力を及ぼせません。頂椎がおおむね第7〜8胸椎より下(胸腰椎・腰椎カーブ)が適応で、上位胸椎の側弯には頸椎パッド付きのミルウォーキー装具(CTLSO)を用います。したがって1が誤りです。


【各選択肢の解説】

1. 上位胸椎の側弯に適応がある。
❌ 誤り(=本問の正答)。アンダーアームブレースは腋窩以下の体幹しか覆わないため、上位胸椎の側弯は矯正できません。頂椎が高位(T7より上)の場合はミルウォーキー装具が選択されます。
2. 胸椎パッドは肋骨の隆起部に当てる。
✅ 正しい。胸椎の側弯では椎体の回旋に伴い凸側の肋骨が後方へ突出する肋骨隆起(rib hump)が生じます。ここにパッドを当てて三点固定の矯正力を加えます。
3. 腰椎パッドは腰椎の隆起部に当てる。
✅ 正しい。腰椎カーブでは凸側の腰部が膨隆する(lumbar hump)ため、その隆起部にパッドを当てて矯正します。
4. アップライトバーは骨盤ガードルに垂直に設置する。
✅ 正しい。支柱は骨盤ガードルに対して垂直に立てることで、体幹を正しく支持し矯正力を安定して伝達できます。
5. 骨盤ガードル下端は上前腸骨棘を覆うようにする。
✅ 正しい。骨盤部をしっかり把持することが装具全体の土台となるため、下端は上前腸骨棘を覆う高さに設定し、骨盤の傾きと装具のずり上がりを防ぎます。

【試験対策ポイント】

側弯症のポイントは以下です。

装具覆う範囲適応となる頂椎
ミルウォーキー装具(CTLSO)骨盤〜頸部(頸椎リング付き)上位胸椎(T7より上)
アンダーアームブレース(TLSO)骨盤〜腋窩下T8以下の胸腰椎・腰椎
  • 特発性側弯症は思春期の女子に多く、右凸胸椎カーブが典型
  • スクリーニングは前屈テスト(Adams test)で肋骨隆起を確認、程度はモアレ写真やCobb角で評価
  • 治療の目安:Cobb角25〜40°で装具療法40〜50°以上で手術を検討(20°未満は経過観察)
  • 装具は骨成熟が完了する(Risser sign 4〜5)まで継続
「アンダーアーム=腋窩の下まで=高い位置のカーブには効かない」と名称から導けるようにしておきましょう。

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