PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午前 第39問

神経疾患理学療法第47回午前

第47回 理学療法士国家試験 午前 第39問(神経疾患理学療法)の正答は 1・5 です。第5頸髄節まで機能残存している場合、三角筋・上腕二頭筋・腕橈骨筋が使えるため肩の挙上と肘屈曲が可能ですが、手関節背屈(C6)や手指・上腕三頭筋(C7・C8)は麻痺しています。

問題
頸髄完全損傷患者(第5頸髄節まで機能残存)で自立可能なのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 自助具を用いた歯磨き
  2. 2. 自助具を用いた自己導尿
  3. 3. ベッド柵を用いた起き上がり
  4. 4. トランスファーボードを用いた横移乗
  5. 5. ジョイスティックによる電動車椅子操作

正答:1・5番

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解説
■ 正答:1・5番 — 自助具を用いた歯磨き/ジョイスティックによる電動車椅子操作

第5頸髄節まで機能残存している場合、三角筋・上腕二頭筋・腕橈骨筋が使えるため肩の挙上と肘屈曲が可能ですが、手関節背屈(C6)や手指・上腕三頭筋(C7・C8)は麻痺しています。したがって万能カフなどの自助具を用いれば手を口元へ運ぶ動作(歯磨き・食事)は自立でき、手掌でジョイスティックを操作する電動車椅子も自立可能です。


【各選択肢の解説】

1. 自助具を用いた歯磨き
✅ 正しい。上腕二頭筋(C5)による肘屈曲で手を口元へ運べるため、万能カフで歯ブラシを固定すれば自立可能です。ただし歯磨き粉をつける準備には介助を要することがあります。
2. 自助具を用いた自己導尿
❌ 誤り。自己導尿には手指のつまみ動作や巧緻性、坐位バランス、着衣の操作が必要で、一般にC7〜C8以上の残存が求められます。C5では自立できません。
3. ベッド柵を用いた起き上がり
❌ 誤り。起き上がりには手関節背屈(C6)を利用したフックや上腕三頭筋(C7)による上肢の支持が必要です。C5では手でベッド柵を握れず、肘を伸ばして体を支えることもできないため自立は困難です。
4. トランスファーボードを用いた横移乗
❌ 誤り。プッシュアップによる殿部の持ち上げには上腕三頭筋(C7)が不可欠です。C7残存で移乗が自立レベルとなり、C5では全介助です。
5. ジョイスティックによる電動車椅子操作
✅ 正しい。肩と肘が動くため手をジョイスティックに乗せて操作でき、電動車椅子による移動は自立可能です。手動車椅子の駆動は平地でもC6以上が必要で、C5では実用的ではありません。

【試験対策ポイント】

頸髄損傷は残存レベルごとの「使える筋」と「できるADL」を対応づけて覚えます。

残存レベル主な残存筋到達可能なADL
C4横隔膜・僧帽筋全介助。顎・呼気操作の電動車椅子
C5三角筋・上腕二頭筋・腕橈骨筋自助具で食事・整容。電動車椅子自立
C6長・短橈側手根伸筋(手関節背屈)テノデーシスアクションで把持。寝返り・更衣一部自立、平地の車椅子駆動
C7上腕三頭筋プッシュアップ・移乗自立、自己導尿可能
C8深指屈筋(手指屈曲)ほぼADL自立

C6のキーワードはテノデーシスアクション(手関節背屈で手指が他動的に屈曲する腱固定効果)、C7のキーワードはプッシュアップです。

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