PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午後 第86問

整形外科学第47回午後

第47回 理学療法士国家試験 午後 第86問(整形外科学)の正答は 5 です。悪性関節リウマチは、関節リウマチに血管炎をはじめとする関節外症状を伴い、難治性・重篤な経過をとるものを指します。

問題
関節リウマチについて正しいのはどれか。
  1. 1. 股関節などの大関節に初発する。
  2. 2. 罹患関節の症状は非対称性に現れる。
  3. 3. 約半数にリウマトイド結節が認められる。
  4. 4. 血清アルカリフォスファターゼが高値となる。
  5. 5. 悪性関節リウマチでは血管炎による臓器障害が起こりやすい。

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 悪性関節リウマチでは血管炎による臓器障害が起こりやすい。

悪性関節リウマチは、関節リウマチに血管炎をはじめとする関節外症状を伴い、難治性・重篤な経過をとるものを指します。血管炎により多発単神経炎、皮膚潰瘍・壊疽、間質性肺炎、腸管虚血、上強膜炎などの臓器障害を生じ、指定難病に認定されています。


【各選択肢の解説】

1. 股関節などの大関節に初発する。
❌ 誤り。関節リウマチは手指のPIP関節・MCP関節、手関節、足趾のMTP関節など小関節から初発するのが典型で、DIP関節は侵されにくいのが特徴です。
2. 罹患関節の症状は非対称性に現れる。
❌ 誤り。関節リウマチの関節症状は左右対称性に出現するのが特徴です。非対称性の関節炎は変形性関節症や乾癬性関節炎などを疑います。
3. 約半数にリウマトイド結節が認められる。
❌ 誤り。リウマトイド結節(肘頭など伸側の圧迫部に生じる皮下結節)がみられるのは全体の約20〜30%で、半数には達しません。
4. 血清アルカリフォスファターゼが高値となる。
❌ 誤り。関節リウマチの活動性を反映するのはCRP・赤血球沈降速度(血沈)で、免疫学的検査ではリウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体が陽性となります。アルカリフォスファターゼは骨疾患・肝胆道疾患の指標です。
5. 悪性関節リウマチでは血管炎による臓器障害が起こりやすい。
✅ 正しい。全身の血管炎により多発単神経炎・皮膚潰瘍・間質性肺炎などを合併し、生命予後にも関わります。運動療法は全身状態を確認しながら慎重に進めます。

【試験対策ポイント】

関節リウマチの基本像は「小関節・対称性・朝のこわばり(1時間以上)・多発性」です。変形は疾患の代名詞として頻出します。

  • 手指:スワンネック変形、ボタンホール(ボタン穴)変形、尺側偏位、ムチランス変形
  • 足趾:外反母趾、槌趾、開張足
  • 頸椎:環軸椎亜脱臼(頭頸部の過屈曲は禁忌。四肢麻痺の危険)
Steinbrocker分類は病期(stage I〜IV:X線像による)と機能障害度(class 1〜4:ADL自立度による)の2軸で、混同しやすいので区別します。理学療法の柱は関節保護(大きな関節・強い関節で行う、長いてこを使う、自助具の活用)とエネルギー保存で、炎症の強い時期は等尺性運動を中心に、疼痛を翌日に残さない運動量にとどめます。

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