PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第47回 理学療法士国家試験 午後 第87問

整形外科学第47回午後

第47回 理学療法士国家試験 午後 第87問(整形外科学)の正答は 3・5 です。腰椎椎間板ヘルニアは、突出した髄核が同レベルの下位神経根を圧迫します。

問題
腰椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。
  1. 1. 女性に多く発症する。
  2. 2. 好発年齢は50歳代である。
  3. 3. 第4・5腰椎間で生じると前脛骨筋の筋力が低下する。
  4. 4. 第5腰椎・第1仙椎間で生じると足背の感覚障害が起こる。
  5. 5. 第3・4腰椎間で生じると大腿神経伸展テストが陽性となる。

正答:3・5番

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解説
■ 正答:3・5番 — 第4・5腰椎間で生じると前脛骨筋の筋力が低下する/第3・4腰椎間で生じると大腿神経伸展テストが陽性となる。

腰椎椎間板ヘルニアは、突出した髄核が同レベルの下位神経根を圧迫します。L4/5ヘルニアではL5神経根が障害され、前脛骨筋・長母趾伸筋の筋力低下(背屈力低下)が生じます。L3/4ヘルニアではL4神経根が障害され、大腿神経が支配する領域に痛みが放散するため大腿神経伸展テスト(FNSテスト)が陽性となります。


【各選択肢の解説】

1. 女性に多く発症する。
❌ 誤り。腰椎椎間板ヘルニアは男性に多く、男女比はおよそ2〜3:1とされています。
2. 好発年齢は50歳代である。
❌ 誤り。好発年齢は20〜40歳代の青壮年期です。50歳以降で下肢症状が出る場合は腰部脊柱管狭窄症(間欠性跛行を伴う)を考えます。
3. 第4・5腰椎間で生じると前脛骨筋の筋力が低下する。
✅ 正しい。L4/5ヘルニアはL5神経根障害を起こし、前脛骨筋・長母趾伸筋・中殿筋の筋力低下と、下腿外側〜足背・母趾の感覚障害を生じます。
4. 第5腰椎・第1仙椎間で生じると足背の感覚障害が起こる。
❌ 誤り。L5/S1ヘルニアはS1神経根障害で、感覚障害は足外側〜足底・小趾側に出ます。足背はL5領域です。S1障害では下腿三頭筋の筋力低下とアキレス腱反射の減弱がみられます。
5. 第3・4腰椎間で生じると大腿神経伸展テストが陽性となる。
✅ 正しい。L4神経根障害では腹臥位で膝を屈曲・股関節を伸展させるFNSテスト(大腿神経伸展テスト)で大腿前面に疼痛が誘発されます。膝蓋腱反射の減弱も伴います。

【試験対策ポイント】

高位診断は「筋力低下・感覚障害・腱反射」の3点セットで覚えます。

ヘルニア高位障害神経根筋力低下感覚障害腱反射
L3/4L4大腿四頭筋・前脛骨筋下腿内側膝蓋腱反射↓
L4/5L5前脛骨筋・長母趾伸筋・中殿筋下腿外側〜足背・母趾変化なし
L5/S1S1下腿三頭筋・長母趾屈筋足外側〜足底・小趾アキレス腱反射↓

L4/5とL5/S1で全体の約9割を占めます。誘発テストは、L5・S1(坐骨神経領域)ならSLRテスト、L2〜L4(大腿神経領域)ならFNSテストと使い分けます。急性期は安静・薬物療法、疼痛が落ち着いたら体幹安定化運動と腰椎前屈を避けた動作指導(膝を使って持ち上げる、長時間の坐位を避ける)を行い、膀胱直腸障害や進行する麻痺があれば手術適応となります。

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