PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第38問

神経疾患理学療法第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第38問(神経疾患理学療法)の正答は 3 です。軸索変性型のGuillain-Barré症候群(AMAN/AMSANなど)は脱髄型に比べ回復が遅く、麻痺が長期に残存します。

問題
軸索変性型のGuillain-Barré症候群で適切なのはどれか。
  1. 1. 発症後1週間経過すれば高負荷の訓練は可能である。
  2. 2. γ-グロブリン大量療法中に運動療法は行わない。
  3. 3. 下垂足に対して軽量の短下肢装具を作製する。
  4. 4. 手内筋麻痺は3か月以内で回復する。
  5. 5. 発症後6か月間で症状は固定する。

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 下垂足に対して軽量の短下肢装具を作製する。

軸索変性型のGuillain-Barré症候群(AMAN/AMSANなど)は脱髄型に比べ回復が遅く、麻痺が長期に残存します。下垂足に対しては軽量の短下肢装具を作製して早期から歩行の実用性と安全性を確保することが適切です。装具が重いと下肢の振り出しに余計な筋力を要するため、軽量であることが重要です。


【各選択肢の解説】

1. 発症後1週間経過すれば高負荷の訓練は可能である。
❌ 誤り。発症後1週間は症状進行期にあたり、GBSでは過用性筋力低下(overwork weakness)を招くため高負荷は禁忌です。低負荷・低頻度で疲労を残さない運動が原則です。
2. γ-グロブリン大量療法中に運動療法は行わない。
❌ 誤り。免疫グロブリン大量静注療法(IVIg)中でも、全身状態が安定していれば関節可動域運動や体位変換などの廃用予防は実施します。中止する根拠はありません。
3. 下垂足に対して軽量の短下肢装具を作製する。
✅ 正しい。軸索型は回復に長期を要するため、装具で足関節を制動し早期離床・歩行練習を進めます。軽量素材(プラスチックAFO等)が適します。
4. 手内筋麻痺は3か月以内で回復する。
❌ 誤り。軸索変性型は軸索再生を待つため回復に数か月〜数年を要し、後遺症が残ることも少なくありません。3か月以内という断定はできません。
5. 発症後6か月間で症状は固定する。
❌ 誤り。脱髄型であれば数週〜数か月で改善しますが、軸索型は1年以上かけて緩徐に回復することがあり、6か月で固定するとはいえません。

【試験対策ポイント】

GBSの理学療法で最重要なのは「過用に注意する」ことです。

  • 経過:先行感染(カンピロバクター・サイトメガロウイルスなど)→ 1〜3週後に急性・上行性・左右対称性の弛緩性麻痺腱反射消失 → 4週以内にピーク → プラトー → 回復期。
  • 髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白上昇・細胞数正常)。
  • 重症例では呼吸筋麻痺で人工呼吸管理、自律神経障害(血圧変動・不整脈)にも注意。
  • 病型:脱髄型(AIDP=欧米に多い・回復良好)/軸索型(AMAN=日本を含むアジアに多い・回復が遅い)
  • 運動療法の原則:筋力3未満の筋に抵抗運動は行わない。低負荷・短時間・翌日に疲労を残さない。疼痛(しびれ・異常感覚)と自律神経症状のモニタリングを行いながら段階的に離床します。
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