PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第40問

神経疾患理学療法第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第40問(神経疾患理学療法)の正答は 2 です。二分脊椎では損傷レベルに応じた下肢麻痺・感覚障害・膀胱直腸障害が生じるため、装具や車椅子を用いた移動動作訓練が理学療法の中心となります。

問題
小児疾患と理学療法の組合せで適切なのはどれか。
  1. 1. 先天性内反足 ― 徒手矯正
  2. 2. 二分脊椎 ― 移動動作訓練
  3. 3. 発育性(先天性)股関節脱臼 ― トロント装具装着
  4. 4. Perthes病 ― 患部の等張性筋力増強
  5. 5. Down症 ― 床上座位移動練習(シャフリング)

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 二分脊椎 ― 移動動作訓練

二分脊椎では損傷レベルに応じた下肢麻痺・感覚障害・膀胱直腸障害が生じるため、装具や車椅子を用いた移動動作訓練が理学療法の中心となります。他の選択肢はいずれも疾患と治療法の組合せが誤っています。


【各選択肢の解説】

1. 先天性内反足 ― 徒手矯正
❌ 誤り。先天性内反足の治療は生後早期からのPonseti法(用手矯正+連続ギプス固定)とアキレス腱皮下切腱、その後の外転装具が標準であり、理学療法士による徒手矯正のみでは変形は矯正できません。
2. 二分脊椎 ― 移動動作訓練
✅ 正しい。残存レベル(Sharrardの分類)に応じて装具・杖・車椅子を選定し、移動能力の獲得と維持を図ります。褥瘡予防と側弯・拘縮管理も併せて行います。
3. 発育性(先天性)股関節脱臼 ― トロント装具装着
❌ 誤り。発育性股関節形成不全に用いるのはRiemenbügel(リーメンビューゲル)装具です。トロント装具はPerthes病の外転免荷装具です。
4. Perthes病 ― 患部の等張性筋力増強
❌ 誤り。Perthes病は大腿骨頭の阻血性壊死であり、治療原則は免荷とcontainment(骨頭を臼蓋に十分に収める)です。患部への負荷をかける等張性筋力増強は骨頭の圧潰を招くため不適切です。
5. Down症 ― 床上座位移動練習(シャフリング)
❌ 誤り。Down症児は筋緊張低下と関節弛緩性からシャフリング移動になりやすいのですが、これを助長すると立位・歩行の獲得が遅れます。四つ這い・つかまり立ち・歩行へ発達を促すのが適切です。なお環軸椎不安定性があるため頸部の過度な屈伸は禁忌です。

【試験対策ポイント】

小児整形疾患と装具・治療原則の対応は必ずセットで覚えます。

疾患治療の原則代表的な装具
発育性股関節形成不全(DDH)開排位保持Riemenbügel装具
Perthes病免荷+containmentトロント装具・SPC装具・Batchelor装具
先天性内反足早期の連続ギプス矯正(Ponseti法)Denis Browne装具(矯正後の保持)
大腿骨頭すべり症すべりの進行防止(手術・免荷)
二分脊椎レベルに応じた移動手段の獲得AFO・KAFO・HKAFO・車椅子
先天性筋性斜頸自然軽快が多く経過観察

免荷が原則の疾患(Perthes病・大腿骨頭壊死)に筋力増強や荷重を選ばない」というのが本問の最大のひっかけポイントです。

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