PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第47問

内部障害理学療法第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第47問(内部障害理学療法)の正答は 3 です。気管吸引の吸引圧は、気道粘膜の損傷と低酸素血症を防ぐため20 kPa(150 mmHg)以下に設定するのが標準です。

問題
気管吸引で正しいのはどれか。
  1. 1. 吸引カテーテルの外径は気管チューブ内径の2/3とする。
  2. 2. 吸引カテーテルの挿入は気管分岐部までとする。
  3. 3. 吸引圧は20 kPa(150 mmHg)以下とする。
  4. 4. 吸引時間は20〜30秒間とする。
  5. 5. 咳を誘発しながら吸引する。

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 吸引圧は20 kPa(150 mmHg)以下とする。

気管吸引の吸引圧は、気道粘膜の損傷と低酸素血症を防ぐため20 kPa(150 mmHg)以下に設定するのが標準です。日本呼吸療法医学会の気管吸引ガイドラインでも同様に定められています。


【各選択肢の解説】

1. 吸引カテーテルの外径は気管チューブ内径の2/3とする。
❌ 誤り。カテーテルが太すぎると吸引中の換気が妨げられ、気道内圧が陰圧になり無気肺・低酸素を招きます。外径は気管チューブ内径の1/2以下が原則です。
2. 吸引カテーテルの挿入は気管分岐部までとする。
❌ 誤り。気管分岐部に当てると粘膜損傷・迷走神経反射(徐脈)を起こします。挿入は気管チューブの先端をわずかに越える程度にとどめ、分岐部に当てないようにします。
3. 吸引圧は20 kPa(150 mmHg)以下とする。
✅ 正しい。過度な陰圧は粘膜損傷・出血・肺胞虚脱の原因となるため、上限が定められています。
4. 吸引時間は20〜30秒間とする。
❌ 誤り。1回の吸引操作は10〜15秒以内(カテーテル挿入から抜去まで)が原則です。長時間の吸引は低酸素血症・不整脈を招きます。
5. 咳を誘発しながら吸引する。
❌ 誤り。過度な咳嗽の誘発は気道粘膜の損傷、頭蓋内圧・血圧の上昇、低酸素をきたすため避けます。分泌物は事前の体位ドレナージ・スクイージング・加湿で中枢気道へ移動させておくのが正しい順序です。

【試験対策ポイント】

気管吸引の数値は丸暗記しておくと確実に1点になります。

項目基準
吸引圧20 kPa(150 mmHg)以下
1回の吸引時間10〜15秒以内
カテーテル外径気管チューブ内径の1/2以下
挿入の深さ気管チューブ先端をやや越える程度(気管分岐部に当てない)
前後の対応吸引前後の酸素化(100%酸素の投与)・清潔操作・SpO₂と心電図のモニタリング
  • 吸引は苦痛と合併症を伴う侵襲的手技なので、必要なときだけ実施します。適応の判断は聴診での副雑音(水泡音)、気道内分泌物の貯留音、SpO₂低下、換気量低下、患者の訴えなど。
  • 中止基準:SpO₂の著明な低下、不整脈の出現、血圧の急激な変動、出血。
  • 理学療法士は法令上、診療の補助として医師の指示のもとで喀痰等の吸引を行うことができます(2010年の厚生労働省通知および理学療法士及び作業療法士法の解釈による)。
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