PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第48問

内部障害理学療法第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第48問(内部障害理学療法)の正答は 1・2・3 です。肺胞換気量は「(一回換気量 − 死腔量)× 呼吸数」で決まります。

問題
分時換気量を変えずに肺胞換気量を増加させる呼吸法はどれか。
  1. 1. 一回換気量を増やす。
  2. 2. 口すぼめ呼吸を行う。
  3. 3. 横隔膜呼吸を行う。
  4. 4. 呼吸回数を増やす。
  5. 5. 呼気流速を速める。

正答:1・2・3番(いずれでも正解)

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解説
■ 正答:1・2・3番 — 一回換気量を増やす/口すぼめ呼吸を行う/横隔膜呼吸を行う

肺胞換気量は「(一回換気量 − 死腔量)× 呼吸数」で決まります。死腔量は約150 mLでほぼ一定なので、分時換気量(一回換気量×呼吸数)が同じなら、一回換気量を大きく・呼吸数を少なくするほど1回あたりの死腔の割合が減り、肺胞換気量は増加します。


【各選択肢の解説】

1. 一回換気量を増やす。
✅ 正しい。分時換気量一定なら呼吸数が減るため、死腔換気量(150 mL×呼吸数)が減少し、その分だけ肺胞換気量が増えます。
2. 口すぼめ呼吸を行う。
✅ 正しい。呼気時の気道内圧を高めて末梢気道の虚脱を防ぐと同時に、呼気延長により呼吸数が減少し一回換気量が増加するため、肺胞換気量が増えます。
3. 横隔膜呼吸を行う。
✅ 正しい。横隔膜は最も効率のよい吸気筋であり、深くゆっくりした呼吸パターン(一回換気量増加・呼吸数減少)になるため、肺胞換気量が増加します。
4. 呼吸回数を増やす。
❌ 誤り。分時換気量が同じまま呼吸数を増やすと一回換気量が小さくなり、死腔換気の割合が増えて肺胞換気量は減少します(浅く速い呼吸=最も非効率)。
5. 呼気流速を速める。
❌ 誤り。呼気流速そのものは肺胞換気量の計算式に含まれません。COPDでは呼気を速めると気道が虚脱してかえって換気効率が悪化します。

【試験対策ポイント】

具体的な数値で確認すると理解が定着します。分時換気量を6,000 mL/分(死腔150 mL)で固定します。

パターン一回換気量呼吸数肺胞換気量
浅く速い呼吸300 mL20回/分(300−150)×20=3,000 mL/分
標準500 mL12回/分(500−150)×12=4,200 mL/分
深くゆっくり1,000 mL6回/分(1,000−150)×6=5,100 mL/分

分時換気量は同じ6,000 mL/分でも、肺胞換気量は3,000〜5,100 mL/分と大きく変わります。これが「深くゆっくり呼吸する」が呼吸理学療法の基本原則である理由です。

COPDの呼吸練習では、口すぼめ呼吸(呼気:吸気=2:1〜3:1)でPEEP様効果により末梢気道の虚脱を防ぎ、動的過膨張とair trappingを軽減します。横隔膜呼吸は重症例では呼吸仕事量をかえって増やすことがあるため、患者の状態に応じて選択します。

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