PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第48回 理学療法士国家試験 午前 第85問

理学療法評価学第48回午前

第48回 理学療法士国家試験 午前 第85問(理学療法評価学)の正答は 5 です。提示された腰椎の矢状断MRIでは、最下位(L5/S1)の椎間板が信号強度の低下した変性像を呈し、その後方の髄核が突出して脊柱管内へ張り出し、前方の硬膜管(くも膜下腔)を圧排しています。

問題
腰部MRI(別冊No. 3)を別に示す。この画像で認められるのはどれか。
第48回午前第85問 図
  1. 1. 骨粗鬆症
  2. 2. 腰椎圧迫骨折
  3. 3. 腰椎すべり症
  4. 4. 後縦靱帯骨化症
  5. 5. 椎間板ヘルニア

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 椎間板ヘルニア

提示された腰椎の矢状断MRIでは、最下位(L5/S1)の椎間板が信号強度の低下した変性像を呈し、その後方の髄核が突出して脊柱管内へ張り出し、前方の硬膜管(くも膜下腔)を圧排しています。椎体の高さ・形状は保たれ、椎体の前方すべりもなく、椎体後縁に連続する骨化像もありません。したがって椎間板ヘルニアの画像です。


【各選択肢の解説】

1. 骨粗鬆症
❌ 誤り。骨粗鬆症の評価は骨密度測定(DXA)で行うもので、MRIで椎体の骨量減少を直接診断することはできません。画像上も椎体の変形はみられません。
2. 腰椎圧迫骨折
❌ 誤り。圧迫骨折であれば椎体が楔状・扁平に潰れ、新鮮例では椎体内に骨髄浮腫を示す信号変化が出ます。本画像の椎体は高さが保たれ、形も矩形を保っています。
3. 腰椎すべり症
❌ 誤り。すべり症では椎体が前方(または後方)にずれ、椎体後縁の並びに階段状のずれ(step off)が生じます。本画像では椎体後縁のラインは滑らかに連続しています。
4. 後縦靱帯骨化症
❌ 誤り。後縦靱帯骨化症は頸椎に好発し、椎体後面に沿って複数椎体にわたる帯状の骨化がみられます。本画像の圧迫は椎間板高位に限局した局所的な突出です。
5. 椎間板ヘルニア
✅ 正しい。最下位椎間板が変性し、後方に突出して硬膜管を圧排しており、椎間板ヘルニアの典型像です。

【試験対策ポイント】

腰椎椎間板ヘルニアはL4/5とL5/S1で全体の約9割を占め、20〜40歳代の男性に多い疾患です。高位別の所見は必ず押さえます。

高位圧迫神経根感覚障害筋力低下腱反射
L4/5L5下腿外側・足背・母趾前脛骨筋・長母趾伸筋変化なし
L5/S1S1下腿後面・足底・小趾下腿三頭筋(腓腹筋)アキレス腱反射低下

理学的検査ではSLR(下肢伸展挙上)テストが陽性、上位腰椎(L2/3・L3/4)では大腿神経伸展テスト(FNSテスト)が陽性になります。急性期は安静と薬物療法が中心で、疼痛が落ち着けば体幹深部筋の安定化運動と、前屈・重量物挙上を避ける腰痛体操・動作指導へ進めます。膀胱直腸障害や進行する麻痺があれば緊急手術の適応です。

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