第49回 理学療法士国家試験 午前 第10問
神経疾患理学療法第49回午前
第49回 理学療法士国家試験 午前 第10問(神経疾患理学療法)の正答は 3 です。登はん性起立(Gowers徴候)と動揺歩行を示し、かろうじて立ち上がれる段階=歩行がまもなく困難になる時期です。
問題
9歳の男児。Duchenne型筋ジストロフィー。独歩は可能だが、腹部を突き出し両肩を左右に振る動揺歩行と内反尖足とが顕著である。床からの立ち上がり動作では登はん性起立を示し、柱などにつかまればかろうじて立ち上がることができる。上肢に拘縮はなく、ゆっくりであるが両上肢を挙上することができる。この時期に行う理学療法士の対応で優先度が高いのはどれか。
- 1. 電動車椅子の購入を家族に提案する。
- 2. 下肢の漸増抵抗運動を行う。
- 3. 四つ這い移動の練習を行う。 ✓
- 4. 松葉杖歩行の練習を行う。
- 5. 体幹装具を装着させる。
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 四つ這い移動の練習を行う。
登はん性起立(Gowers徴候)と動揺歩行を示し、かろうじて立ち上がれる段階=歩行がまもなく困難になる時期です。四つ這いは重心が低く転倒の危険が少ないうえ、過度な負荷をかけずに移動手段を確保でき、股・膝の可動域維持にもつながるため優先度が高い対応です。
【各選択肢の解説】
1. 電動車椅子の購入を家族に提案する。
❌ 誤り。まだ独歩が可能で残存機能を使う時期であり、この段階で電動車椅子を導入すると活動性が低下し廃用を招く。導入は歩行が実用性を失う頃に検討する。
❌ 誤り。まだ独歩が可能で残存機能を使う時期であり、この段階で電動車椅子を導入すると活動性が低下し廃用を招く。導入は歩行が実用性を失う頃に検討する。
2. 下肢の漸増抵抗運動を行う。
❌ 誤り。Duchenne型筋ジストロフィーでは強い抵抗運動が過用性筋力低下(overwork weakness)を招くため禁忌に近い。運動は低負荷・低頻度の範囲にとどめる。
❌ 誤り。Duchenne型筋ジストロフィーでは強い抵抗運動が過用性筋力低下(overwork weakness)を招くため禁忌に近い。運動は低負荷・低頻度の範囲にとどめる。
3. 四つ這い移動の練習を行う。
✅ 正しい。低い姿勢での移動は転倒リスクが小さく、過負荷にもなりにくい。歩行能力低下後の移動手段を先取りして獲得できる。
✅ 正しい。低い姿勢での移動は転倒リスクが小さく、過負荷にもなりにくい。歩行能力低下後の移動手段を先取りして獲得できる。
4. 松葉杖歩行の練習を行う。
❌ 誤り。体幹・上肢帯の筋力低下があるため松葉杖で体重を支えることは難しく、転倒・骨折の危険が高い。
❌ 誤り。体幹・上肢帯の筋力低下があるため松葉杖で体重を支えることは難しく、転倒・骨折の危険が高い。
5. 体幹装具を装着させる。
❌ 誤り。脊柱側弯が進行するのは歩行能力を失って座位中心の生活になった後。歩行可能な現時点では動作を妨げるだけで適応がない。
❌ 誤り。脊柱側弯が進行するのは歩行能力を失って座位中心の生活になった後。歩行可能な現時点では動作を妨げるだけで適応がない。
【試験対策ポイント】
Duchenne型筋ジストロフィーの理学療法は「やってはいけないこと」を問う形で頻出します。
- 禁忌に近いもの:最大抵抗運動・遠心性収縮を伴う高負荷運動・過度な疲労(過用性筋力低下)
- 中心となるもの:関節可動域練習(尖足・腸脛靱帯・股屈筋の拘縮予防)、呼吸理学療法、移動手段の段階的確保、側弯予防(歩行不能後)
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