PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第34問

整形外科学第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第34問(整形外科学)の正答は 5 です。関節リウマチでは炎症が強い活動期に強い抵抗運動や過度な他動運動を行うと、滑膜炎の増悪・関節破壊の進行を招きます。

問題
関節リウマチについて正しいのはどれか。
  1. 1. 内反尖足が合併しやすい。
  2. 2. DIP関節に病変を生じやすい。
  3. 3. 肘関節にはムチランス変形が生じやすい。
  4. 4. 環軸椎亜脱臼を認めるときには頸部を屈曲させる。
  5. 5. 炎症が強い時期の運動療法は自動運動を中心に行う。

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 炎症が強い時期の運動療法は自動運動を中心に行う。

関節リウマチでは炎症が強い活動期に強い抵抗運動や過度な他動運動を行うと、滑膜炎の増悪・関節破壊の進行を招きます。この時期は関節保護を優先し、等尺性収縮や自動運動を中心に、可動域維持を目的とした低負荷の運動を行うのが原則です。


【各選択肢の解説】

1. 内反尖足が合併しやすい。
❌ 誤り。関節リウマチの足部変形は外反母趾・開張足・外反扁平足・槌趾(ハンマートウ)が典型です。内反尖足は痙性麻痺(脳卒中・脳性麻痺)でみられる変形です。
2. DIP関節に病変を生じやすい。
❌ 誤り。関節リウマチはMCP関節とPIP関節を左右対称に侵し、DIP関節は原則として侵されません。DIP関節が侵されるのは変形性関節症(Heberden結節)や乾癬性関節炎です。
3. 肘関節にはムチランス変形が生じやすい。
❌ 誤り。ムチランス変形(オペラグラス手)は骨の高度な吸収・短縮によって手指が伸縮する変形で、肘関節の変形名ではありません。
4. 環軸椎亜脱臼を認めるときには頸部を屈曲させる。
❌ 誤り。環軸椎亜脱臼では頸部屈曲で環椎が前方へずれ脊髄を圧迫し、四肢麻痺や呼吸障害を起こす危険があります。屈曲は禁忌で、頸椎カラーなどで安定を図ります。
5. 炎症が強い時期の運動療法は自動運動を中心に行う。
✅ 正しい。急性炎症期は安静と関節保護を優先し、疼痛のない範囲での自動運動・等尺性運動で可動域と筋力の低下を防ぎます。

【試験対策ポイント】

関節リウマチは変形の名称関節保護の原則が二大頻出テーマです。

変形部位・特徴
スワンネック変形PIP過伸展・DIP屈曲
ボタン穴(ボタンホール)変形PIP屈曲・DIP過伸展
尺側偏位MCP関節で手指が小指側へ
ムチランス変形骨吸収による手指の短縮(オペラグラス手)
外反母趾・開張足前足部に集中する荷重で生じる

関節保護の原則は「大きい関節・強い関節を使う(手指でなく手掌や前腕で持つ)」「同一姿勢を続けない」「関節に無理な力をかけない(ドアノブはレバー式に)」「エネルギーを節約する」。Steinbrocker分類はstageⅠ〜Ⅳ(X線上の破壊度)とclass1〜4(機能障害度)の2軸である点も押さえましょう。

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