PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午前 第35問

整形外科学第49回午前

第49回 理学療法士国家試験 午前 第35問(整形外科学)の正答は 2 です。L5神経根の皮膚知覚領域は下腿外側から足背、母趾にかけてで、L4〜L5椎間板ヘルニアで最も高頻度に障害されます。

問題
腰椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。
  1. 1. L4神経根障害では長母趾屈筋の筋力低下を生じる。
  2. 2. L5神経根障害では下腿外側から足背の知覚異常を伴う。
  3. 3. L5神経根障害では大腿神経伸張テストが陽性となる。
  4. 4. S1神経根障害では前脛骨筋の筋力低下を生じる。
  5. 5. S1神経根障害では膝蓋腱反射が低下する。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — L5神経根障害では下腿外側から足背の知覚異常を伴う。

L5神経根の皮膚知覚領域は下腿外側から足背、母趾にかけてで、L4〜L5椎間板ヘルニアで最も高頻度に障害されます。運動では長母趾伸筋・前脛骨筋の筋力低下(母趾背屈力の低下)を生じ、腱反射には原則として異常が出ないのが特徴です。


【各選択肢の解説】

1. L4神経根障害では長母趾屈筋の筋力低下を生じる。
❌ 誤り。長母趾屈筋はS1支配です。L4障害では大腿四頭筋・前脛骨筋の筋力低下と膝蓋腱反射の低下がみられます。
2. L5神経根障害では下腿外側から足背の知覚異常を伴う。
✅ 正しい。L5の支配領域そのもので、母趾背屈力低下(長母趾伸筋の筋力低下)を伴うことが多いです。
3. L5神経根障害では大腿神経伸張テストが陽性となる。
❌ 誤り。大腿神経伸張テスト(FNSテスト、腹臥位で膝を屈曲)はL2〜L4(上位腰椎)の神経根障害で陽性になります。L5・S1障害ではSLRテストが陽性です。
4. S1神経根障害では前脛骨筋の筋力低下を生じる。
❌ 誤り。前脛骨筋はL4〜L5支配です。S1障害では下腿三頭筋・長腓骨筋・長母趾屈筋が弱くなり、つま先立ちが困難になります。
5. S1神経根障害では膝蓋腱反射が低下する。
❌ 誤り。膝蓋腱反射はL2〜L4(大腿神経)で、低下するのはL4障害です。S1障害ではアキレス腱反射が低下・消失します。

【試験対策ポイント】

腰椎椎間板ヘルニアは高位別の3点セット(知覚・筋力・反射)を表で覚えるのが最短です。

障害神経根知覚障害の部位筋力低下腱反射
L4下腿内側・内果大腿四頭筋・前脛骨筋膝蓋腱反射 低下
L5下腿外側・足背・母趾長母趾伸筋・前脛骨筋・中殿筋変化なし
S1下腿後面・足底・小趾下腿三頭筋・長母趾屈筋アキレス腱反射 低下

好発部位はL4/5とL5/S1で全体の約90%を占めます。伸張テストの使い分けも頻出で、上位腰椎(L2〜L4)は大腿神経伸張テスト(腹臥位)下位(L5・S1)はSLRテスト(背臥位)と対で覚えましょう。

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