PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午後 第17問

地域理学療法第49回午後

第49回 理学療法士国家試験 午後 第17問(地域理学療法)の正答は 2 です。つたい歩きで屋内移動が自立している85歳女性で、床から立ち上がろうとして転倒した既往があります。

問題
85歳の女性。ADLに一部介助が必要だが、屋内歩行はつたい歩きで自立している。3か月前に机に手をついて床から立ち上がろうとした際に転倒したが、骨折には至らなかった。自宅の住環境に関する助言として適切なのはどれか。
  1. 1. 敷居の段差に同系色のテープを貼る。
  2. 2. 階段や浴室に滑り止めマットを敷く。
  3. 3. 夜間の照明は視線の高さに設置する。
  4. 4. トイレの開き戸をカーテンに変更する。
  5. 5. 必要な物は手の届く範囲の床上に置く。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 階段や浴室に滑り止めマットを敷く。

つたい歩きで屋内移動が自立している85歳女性で、床から立ち上がろうとして転倒した既往があります。住環境の助言は「滑る・つまずく・見えない」を減らすのが基本であり、滑りやすく転倒すると重症化しやすい階段や浴室に滑り止めを敷くのが最も適切です。


【各選択肢の解説】

1. 敷居の段差に同系色のテープを貼る。
❌ 誤り。段差の存在に気づかせることが目的なので、床とのコントラストがはっきりした色のテープを貼る。同系色では段差が見えず、かえって危険になる。
2. 階段や浴室に滑り止めマットを敷く。
✅ 正しい。濡れた浴室や踏み面の狭い階段は転倒の危険が高く、滑り止めは費用も少なく効果が確実。
3. 夜間の照明は視線の高さに設置する。
❌ 誤り。視線の高さの光源はまぶしさ(グレア)を生じ、かえって足元が見えにくくなる。夜間はフットライトなど低い位置から足元を照らす照明にする。
4. トイレの開き戸をカーテンに変更する。
❌ 誤り。カーテンは体を預けられず、つかまろうとすると転倒する。開き戸の問題点は開閉時に体を大きく動かしてバランスを崩すことなので、引き戸への変更が適切。
5. 必要な物は手の届く範囲の床上に置く。
❌ 誤り。床上の物は障害物となってつまずきの原因になり、しかも床から立ち上がる動作は本人が実際に転倒した動作そのもの。立位で手の届く高さの棚などに置く。

【試験対策ポイント】

高齢者の転倒予防の住環境整備は次の6項目に整理できます。

1. 段差解消 … 敷居の撤去、すりつけ板、上がりかまちに踏み台

2. 手すり設置 … 立ち座りには縦手すり、移動には横手すり、階段は下りるときの利き手側

3. 滑り防止 … 浴室・階段・玄関に滑り止め、ワックスのかけすぎに注意

4. 照明 … 足元灯・センサーライト、スイッチは出入口の両側に

5. 建具 … 開き戸より引き戸、レバーハンドル

6. 障害物の除去 … 電気コード、めくれた敷物、新聞・雑誌の山

転倒の発生場所は屋内では居室・階段・玄関・浴室が多く、時間帯では夜間のトイレ移動が多いことも押さえます。

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