第49回 理学療法士国家試験 午後 第18問
理学療法評価学第49回午後
第49回 理学療法士国家試験 午後 第18問(理学療法評価学)の正答は 4 です。「栄養障害はあるが内科的な併存症はない」とされ、筋力増強の効果が乏しく、全身持久性の低下と下肢の浮腫がみられています。
問題
87歳の女性。転倒による大腿骨近位部骨折に対する手術後。理学療法を行っているが、筋力増強の効果が不十分で全身の持久性も低下している。下肢の浮腫を認めたため主治医へ報告したところ、栄養障害はあるが内科的な併存症はないといわれた。理学療法を行う上で、特に参考となる血液検査所見はどれか。
- 1. アルカリフォスファターゼ
- 2. クレアチニン
- 3. 空腹時血糖
- 4. アルブミン ✓
- 5. 赤血球
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — アルブミン
「栄養障害はあるが内科的な併存症はない」とされ、筋力増強の効果が乏しく、全身持久性の低下と下肢の浮腫がみられています。血清アルブミンは内臓蛋白=低栄養の代表的指標で、低下すると膠質浸透圧が下がって浮腫を生じ、筋蛋白の合成も進まないため運動療法の効果が出にくくなります。負荷量の設定や栄養サポートとの連携を判断するうえで最も参考になります。
【各選択肢の解説】
1. アルカリフォスファターゼ
❌ 誤り。骨代謝や肝胆道系の指標で、骨折後の骨形成期に上昇するが、低栄養や浮腫の評価には結びつかない。
❌ 誤り。骨代謝や肝胆道系の指標で、骨折後の骨形成期に上昇するが、低栄養や浮腫の評価には結びつかない。
2. クレアチニン
❌ 誤り。腎機能の指標。腎性浮腫を疑う場面では有用だが、本例は内科的併存症がないとされている。
❌ 誤り。腎機能の指標。腎性浮腫を疑う場面では有用だが、本例は内科的併存症がないとされている。
3. 空腹時血糖
❌ 誤り。糖尿病の指標。これも内科的併存症がないことから除外される。
❌ 誤り。糖尿病の指標。これも内科的併存症がないことから除外される。
4. アルブミン
✅ 正しい。3.5g/dL未満で低栄養、3.0g/dL未満では膠質浸透圧の低下により浮腫が出やすい。この段階では運動負荷を上げるより栄養状態の改善を優先する。
✅ 正しい。3.5g/dL未満で低栄養、3.0g/dL未満では膠質浸透圧の低下により浮腫が出やすい。この段階では運動負荷を上げるより栄養状態の改善を優先する。
5. 赤血球
❌ 誤り。貧血は易疲労や持久性低下の原因になり得るが、浮腫は説明できず、栄養状態を直接示す指標でもない。
❌ 誤り。貧血は易疲労や持久性低下の原因になり得るが、浮腫は説明できず、栄養状態を直接示す指標でもない。
【試験対策ポイント】
理学療法士が押さえるべき血液検査値は次のとおりです。
| 項目 | 基準値の目安 | 理学療法での意味 |
|---|---|---|
| アルブミン | 3.5〜5.0 g/dL | 低栄養・浮腫。3.0未満は運動より栄養改善を優先 |
| ヘモグロビン | 男13〜17/女11〜15 g/dL | 貧血→易疲労・持久性低下。7g/dL未満は運動中止レベル |
| CRP | 0.3 mg/dL以下 | 炎症・感染。高値では負荷を控える |
| CK(CPK) | 60〜250 IU/L程度 | 筋の損傷・過負荷の指標 |
| 血小板 | 15〜35万/mm3 | 低値では出血リスク(抵抗運動に注意) |
「運動しても筋力がつかない」という場面では、負荷設定の問題より前に低栄養を疑うのが定石です。高齢の大腿骨頸部骨折例ではサルコペニア・低栄養の合併が多く、リハビリテーション栄養(十分な蛋白・エネルギー摂取と運動の併用)の考え方が近年よく問われます。
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