第49回 理学療法士国家試験 午後 第27問
神経疾患理学療法第49回午後
第49回 理学療法士国家試験 午後 第27問(神経疾患理学療法)の正答は 2 です。再燃を繰り返す多発性硬化症で、ステロイドパルス療法後にようやく「介助での座位」が可能になった段階です。
問題
再燃を繰り返している多発性硬化症患者において、ステロイドパルス療法後に介助での座位が可能となり、理学療法が開始された。適切なのはどれか。
- 1. スクワット運動を行う。
- 2. 座位バランスの安定化を促す。 ✓
- 3. 自主練習として伝い歩きを指導する。
- 4. 疼痛を伴うときには温熱療法を行う。
- 5. 重錘を用いた筋力トレーニングを行う。
正答:2番
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解説
■ 正答:2番 — 座位バランスの安定化を促す。
再燃を繰り返す多発性硬化症で、ステロイドパルス療法後にようやく「介助での座位」が可能になった段階です。この時期は過用性筋力低下と易疲労を避けながら、獲得しつつある座位保持能力を安定させることが最優先になります。したがって座位バランスの安定化を促すのが適切です。
【各選択肢の解説】
1. スクワット運動を行う。
❌ 誤り。介助でようやく座位が可能な段階でスクワットは明らかに過負荷です。多発性硬化症では過用性筋力低下(overwork weakness)を招く危険があります。
❌ 誤り。介助でようやく座位が可能な段階でスクワットは明らかに過負荷です。多発性硬化症では過用性筋力低下(overwork weakness)を招く危険があります。
2. 座位バランスの安定化を促す。
✅ 正しい。現在の能力(介助座位)のすぐ上を狙う課題であり、次の段階(座位自立→立位→移乗)につながります。負荷も過大ではなく適切です。
✅ 正しい。現在の能力(介助座位)のすぐ上を狙う課題であり、次の段階(座位自立→立位→移乗)につながります。負荷も過大ではなく適切です。
3. 自主練習として伝い歩きを指導する。
❌ 誤り。座位が介助レベルの患者に監視なしの伝い歩きを自主練習させるのは転倒リスクが高く危険です。
❌ 誤り。座位が介助レベルの患者に監視なしの伝い歩きを自主練習させるのは転倒リスクが高く危険です。
4. 疼痛を伴うときには温熱療法を行う。
❌ 誤り。多発性硬化症では体温上昇で神経症状が一過性に悪化するUhthoff(ウートフ)現象があるため、温熱療法や高温環境での運動は避けます。
❌ 誤り。多発性硬化症では体温上昇で神経症状が一過性に悪化するUhthoff(ウートフ)現象があるため、温熱療法や高温環境での運動は避けます。
5. 重錘を用いた筋力トレーニングを行う。
❌ 誤り。抵抗運動は過用性筋力低下・易疲労の増悪を招きます。この時期は低負荷・短時間・頻回の運動が原則です。
❌ 誤り。抵抗運動は過用性筋力低下・易疲労の増悪を招きます。この時期は低負荷・短時間・頻回の運動が原則です。
【試験対策ポイント】
多発性硬化症のリハビリテーションの注意点は頻出。
- Uhthoff現象=体温上昇(入浴・発熱・高温環境・激しい運動)で神経症状が一時的に悪化する。温熱療法は避け、涼しい環境で運動する。
- 過用性筋力低下(overwork weakness)=高負荷の筋力増強はかえって筋力を落とす。低負荷で休息を挟む。
- 易疲労性が中核症状。1回を短くし、回数を分けて実施する。
- 再燃期(急性増悪期)は安静+ステロイドパルス療法が中心で、理学療法は関節可動域運動など廃用予防にとどめる。寛解期に耐久性・バランス・歩行練習を進める。
- 臨床問題では「今できることの一段上」を選ぶのが鉄則。介助座位→座位バランス、が正解の型。
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