PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午後 第46問

運動学第49回午後

第49回 理学療法士国家試験 午後 第46問(運動学)の正答は 1・4 です。静止立位における重心線は、乳様突起→肩峰のやや後方→股関節のやや後方→膝関節軸のわずか前方→足関節軸の前方(外果の前方約5〜6cm)を通ります。

問題
成人の静止立位で正しいのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 体重心線は膝関節軸の前方を通る。
  2. 2. 体重心は床から身長の45 %の高さにある。
  3. 3. 頭部の重心線は環椎後頭関節の後方を通る。
  4. 4. 身長に対する体重心の相対的位置は小児より低い。
  5. 5. 足関節にかかる重力のモーメントは底屈モーメントである。

正答:1・4番

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解説
■ 正答:1・4番 — 体重心線は膝関節軸の前方を通る/身長に対する体重心の相対的位置は小児より低い

静止立位における重心線は、乳様突起→肩峰のやや後方→股関節のやや後方→膝関節軸のわずか前方→足関節軸の前方(外果の前方約5〜6cm)を通ります。また体重心の高さは成人で身長の約55%、頭部の大きい小児ではより高い位置にあるため、相対的位置は成人の方が低くなります。


【各選択肢の解説】

1. 体重心線は膝関節軸の前方を通る。
✅ 正しい。重心線が膝関節軸のやや前方を通ることで膝には伸展モーメントが働き、筋活動をほとんど使わずに膝伸展位を保持できます(膝のロッキング機構)。
2. 体重心は床から身長の45 %の高さにある。
❌ 誤り。成人の体重心は床から身長の約55%(第2仙椎のやや前方)の高さにあります。45%では低すぎます。
3. 頭部の重心線は環椎後頭関節の後方を通る。
❌ 誤り。頭部の重心は環椎後頭関節の前方にあります。そのため頭部は前方に倒れようとし、これに抗して後頸筋群(頭板状筋など)が持続的に活動します。
4. 身長に対する体重心の相対的位置は小児より低い。
✅ 正しい。小児は頭部が相対的に大きく重心位置が高い(乳幼児では身長の60%前後)のに対し、成人は約55%と低くなります。小児が転びやすい一因でもあります。
5. 足関節にかかる重力のモーメントは底屈モーメントである。
❌ 誤り。重心線は足関節軸の前方を通るため、重力は足関節を背屈させる方向のモーメントを生じます。これに抗して下腿三頭筋(ヒラメ筋)が持続的に活動し、立位を安定させています。

【試験対策ポイント】

静止立位の重心線と各関節の関係は、そこで働く筋とセットで覚える。

関節重心線の位置重力によるモーメント抗する筋
環椎後頭関節前方屈曲(前屈)後頸筋群
肩関節やや後方伸展—(靱帯で保持)
股関節やや後方伸展腸腰筋(腸骨大腿靱帯が主に保持)
膝関節やや前方伸展—(後方関節包・靱帯で保持)
足関節前方背屈下腿三頭筋(ヒラメ筋)
  • 成人の体重心=身長の約55%第2仙椎のやや前方
  • 静止立位で最も持続的に働くのはヒラメ筋(antigravity muscleの代表)。
  • 支持基底面内に重心線があれば安定。安定性は「支持基底面が広い・重心が低い・体重が重い」ほど高い。
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