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注意機能訓練の教材

ひとくちに注意といっても、持続・選択・転換・配分で使う課題が変わります。どこが落ちているかから教材を選んでください。

注意を4つに分けて考える

注意機能訓練を組むとき、いちばん効くのは「注意」をひとまとまりにしないことです。臨床では次の4つに分けて見ます。どれが落ちているかで、渡す紙が変わります。

種類落ちているとどうなるか教材
持続性始めは正確だが後半で見落としが増える抹消課題(行数を多く・レベルは低め)
選択性まわりの刺激に引っぱられて目標を拾えない文字さがし(似た文字を増やす)/単語さがし
転換性一度始めた作業から切り替えられない順番つなぎ(数字とかなを交互)/ストループ
配分性2つのことを同時に扱えない順番つなぎの交互+時間を測る/数独

空間性の注意(左を見落とす)は別の軸です。そちらは線分抹消・線分二等分へ。左右別に目標数が印刷されるので、見落としの偏りがそのまま記録になります。

この症状で使う教材

高次脳
抹消課題
数字・かな・記号から目標だけを消す。左右別に目標数が出る。
高次脳
文字さがし
並んだ仮名から目標の文字を探して○をつける。
高次脳
単語さがし
仮名のマスに隠れたことばを探す。走査と語彙照合を同時に。
高次脳
順番つなぎ
数字だけを順に/数字とかなを交互につなぐ。
高次脳
ストループ課題
色名の文字を、書かれた色で答える。抑制の課題。
高次脳
線分抹消・線分二等分
半側空間無視の課題。二等分は正しい中心が解答面に出る。
計算
数独
4×4から9×9まで。解が1通りになることを確認して出す。

同じ紙を繰り返すと訓練にならない

注意の課題は、配置を覚えられた時点で別の課題に変わります。抹消課題で目標の位置を覚えてしまえば、探さずに消せます。順番つなぎで点の並びを覚えてしまえば、走査していません。毎回ちがう紙を渡すこと自体が、この領域では条件です。

ここは条件を固定したまま中身だけ作り直せるので、難易度をそろえたまま毎回別の紙を出せます。PDFを配る形の教材ではこの作り方ができません。

難易度は「量」と「紛らわしさ」で別々に動かす

この2つを同時に上げると、どちらで崩れたのか読めません。片方ずつ動かしてください。

時間を測るなら条件をそろえる

所要時間は注意の変化がいちばん出やすい指標です。ただし、レベルと素材を変えたら比べる意味がなくなります。同じ設定のまま作り直して、日ごと・週ごとの推移を見てください。伝え方は「正確に、できるだけ早く」。急がせると見落としが増え、そちらの数字が悪化します。

抑制も注意の一部として見る

ストループ課題は、読んでしまう自動的な反応を抑えて色を答える課題です。抑制が弱いと、生活場面では「言われる前に手が出る」「始めたことをやめられない」という形で出ます。転換の課題と合わせて見ると、切り替えられないのが抑制の問題なのか、切り替えの負荷そのものなのかが分かれます。カラー印刷が必要な点だけ注意してください。

よくある質問

APTのような体系的な訓練に使えますか
課題の素材としては使えます。持続・選択・転換・配分を順に上げていく組み立ては、上の表のとおりに教材を並べれば作れます。ただし標準化されたプログラムそのものではないので、実施法は担当の専門職が決めてください。
どのくらいの枚数を用意すればいいですか
1回の訓練で1〜2枚、週5回なら10枚前後が目安です。「まとめて作る枚数」を10にして、難易度を上げる間隔を5枚にすると、週の後半で一段上がる束になります。
半側空間無視と注意障害は同じですか
違います。無視は空間の一方向に偏って落ちるもので、持続や選択の問題とは分けて見ます。両方ある方も多いので、線分抹消で左右差を確認してから、量の課題に進むほうが順序として安全です。

このページで作った教材は、臨床・授業・家庭学習で自由に印刷して使えます。 内容は言語聴覚士が監修していますが、対象者への適用の可否は担当の専門職が判断してください。