ひとくちに注意といっても、持続・選択・転換・配分で使う課題が変わります。どこが落ちているかから教材を選んでください。
注意機能訓練を組むとき、いちばん効くのは「注意」をひとまとまりにしないことです。臨床では次の4つに分けて見ます。どれが落ちているかで、渡す紙が変わります。
| 種類 | 落ちているとどうなるか | 教材 |
|---|---|---|
| 持続性 | 始めは正確だが後半で見落としが増える | 抹消課題(行数を多く・レベルは低め) |
| 選択性 | まわりの刺激に引っぱられて目標を拾えない | 文字さがし(似た文字を増やす)/単語さがし |
| 転換性 | 一度始めた作業から切り替えられない | 順番つなぎ(数字とかなを交互)/ストループ |
| 配分性 | 2つのことを同時に扱えない | 順番つなぎの交互+時間を測る/数独 |
空間性の注意(左を見落とす)は別の軸です。そちらは線分抹消・線分二等分へ。左右別に目標数が印刷されるので、見落としの偏りがそのまま記録になります。
注意の課題は、配置を覚えられた時点で別の課題に変わります。抹消課題で目標の位置を覚えてしまえば、探さずに消せます。順番つなぎで点の並びを覚えてしまえば、走査していません。毎回ちがう紙を渡すこと自体が、この領域では条件です。
ここは条件を固定したまま中身だけ作り直せるので、難易度をそろえたまま毎回別の紙を出せます。PDFを配る形の教材ではこの作り方ができません。
この2つを同時に上げると、どちらで崩れたのか読めません。片方ずつ動かしてください。
所要時間は注意の変化がいちばん出やすい指標です。ただし、レベルと素材を変えたら比べる意味がなくなります。同じ設定のまま作り直して、日ごと・週ごとの推移を見てください。伝え方は「正確に、できるだけ早く」。急がせると見落としが増え、そちらの数字が悪化します。
ストループ課題は、読んでしまう自動的な反応を抑えて色を答える課題です。抑制が弱いと、生活場面では「言われる前に手が出る」「始めたことをやめられない」という形で出ます。転換の課題と合わせて見ると、切り替えられないのが抑制の問題なのか、切り替えの負荷そのものなのかが分かれます。カラー印刷が必要な点だけ注意してください。
このページで作った教材は、臨床・授業・家庭学習で自由に印刷して使えます。 内容は言語聴覚士が監修していますが、対象者への適用の可否は担当の専門職が判断してください。